2014 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース資源からのバイオリファイナリー構築のための酵素基盤研究
Project/Area Number |
24580120
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
熊谷 英彦 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (70027192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 憲二 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (70109049)
片山 高嶺 石川県立大学, 生物資源環境学部, 寄付講座教授 (70346104)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオリファイナリー / リニューワブル資源 / セルラーゼ / β‐グルコシダーゼ / 耐熱性セルラーゼ / 酵素耐熱性向上変異 / 耐熱性酵素発現耐熱性酵母 / β‐グルコシダーゼX線構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究以前に、耐熱性カビのエンドβ-グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β-グルコシダーゼ等の遺伝子を単離し、宿主ベクター系を耐熱性酵母で構築、上記3種のセルラーゼを発現させ、膨潤セルロースを基質として、糖化・発酵・蒸留をワンバッチで行う連続発酵に成功している(特許成立)。 本研究では、耐熱性セルラーゼに着目し、その高活性化・高安定化および大量生産システムの構築を目的とした。その結果、耐熱性カビ由来のβ-グルコシダーゼに5箇所のアミノ酸置換を導入することで、その耐熱性を大幅に上昇させることに成功した。すなわち、60℃における半減期が野生型酵素では1分程度にあるのに対し、変異型酵素では200分近くまで増加した。また熱変性プロセスにおける変性中点(Tm)は、野生型酵素が60℃であるのに対し変異型酵素では70℃にまで上昇した。変異型酵素と野生型酵素では、天然基質、セロオリゴ糖に対する作用や比活性が同等であり、応用面において優れた耐熱性酵素を創出できた。なお、本変異型酵素については実用的評価を企業に依頼しており、特許出願準備をしている。そのため、学会発表や論文発表を控えている。 また、本変型異酵素の遺伝子を耐熱性酵母において発現し、この形質転換酵母を用いて、添加エンドグルカナーゼ存在下、膨潤セルロースの糖化・エタノール同時発酵を行ったところ、野生型酵素遺伝子の発現株に比べ1.3倍のエタノール生産性を確認できた。 さらに、変異酵素のX線結晶構造解析に取り組み、2.7Åの解像度での構造解析に成功している。すでに明らかにしている野生型酵素の構造との比較により、変異による耐熱性向上のメカニズムを構造上から解析できる可能性がある。
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Research Products
(1 results)