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2013 Fiscal Year Research-status Report

PCB分解遺伝子群の転写活性化を抑制する新規制御機構の解析

Research Project

Project/Area Number 24580121
Research InstitutionTohoku Gakuin University

Principal Investigator

宮内 啓介  東北学院大学, 工学部, 教授 (20324014)

Keywords転写制御 / バクテリア / PCB / 芳香族分解
Research Abstract

環境汚染物質であるポリ塩化ビフェニル(PCB)分解菌Rhodococcus jostii RHA1のPCB分解機構の完全解明を目標に研究をおこなっている。本菌のPCB分解遺伝子群の転写はビフェニル存在下で活性化されるが、申請者は、分解の中間代謝産物である安息香酸が同時に存在すると、分解遺伝子群の転写活性化が抑制されることを見出した。そこで、本研究では、この新規転写抑制機構の全容を解明する。
これまでに、安息香酸以降の代謝に関与する分解遺伝子の破壊株を用いた解析により、抑制に関与する物質はカテコールであること、カテコール分解遺伝子を高発現させると、抑制の解除と生育の上昇が見られることが明らかとなった。本年度は、RHA1株中でのカテコール分解遺伝子群の転写制御を明らかにすることを試みた。また、この転写活性化抑制を解除するための他の方策として、転写制御因子の高発現を試みた。本機構の原因遺伝子を探索するための遺伝子ライブラリ導入システムの構築も試みた。
その結果、RHA1株におけるカテコール代謝遺伝子群catABCの誘導基質はカテコールの分解産物であるcis,cis-muconateであることが強く示唆された。また、PCB分解遺伝子群の転写活性化に関与する転写制御因子BphS1またはBphT1をRHA1株中で高発現させると、BPを単一炭素源としたときの生育が良くなることが明らかとなった。遺伝子ライブラリの構築と導入については、Rhodococcus用ベクターとシャロミドベクターを融合させたベクターを構築したが、形質転換効率が非常に悪いことが明らかとなった。そこで、転写活性化抑制に関与する可能性があるいくつかの遺伝子を高発現させたが、期待していた構成的抑制の表現型は現れなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の研究によって、未だ不明であったRHA1株におけるカテコール分解遺伝子群の転写誘導基質がほぼ明らかになったことは、重要な成果である。また、PCB分解遺伝子の転写制御因子bphS1およびbphT1遺伝子の導入によってBPを単一炭素源にしたときの生育が上昇したが、カテコールの蓄積との競合を観察することができなかった。これに関しては次年度の課題と言える。ライブラリ作製に関しては、ベクターは完成したものの、RHA1株への導入効率の問題が生じ、解消できなかった。サイズの小さいベクターを用いてライブラリの作製効率を上げるか、現在のベクターのRHA1株への導入効率を上げるか、いずれかの対策をとる必要がある。本年度の研究で、抑制に関与する候補遺伝子の高発現のために、1ステップで高発現プラスミドが構築できる系を立ち上げた。これは今後の研究に役立つ成果であると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

RHA1株における、カテコールによるPCB分解遺伝子群の転写活性化抑制という表現型については、概ねデータが出そろった。この転写活性化の抑制現象を明らかにするため、ライブラリの導入などによる、ボトムアップによる関与遺伝子群の特定が必要である。同時に、抑制中の代謝産物の解析や、抑制を引き起こす基質の探索によって現象の本質を明らかにする研究をおこなうことで、トップダウンで関与遺伝子の同定も可能になると考えられる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

25年度の使用に関しては、2月と3月に二名雇用を予定していた研究補助のアルバイトのの雇用ができなかったこと、および、3月に予定していた情報収集のための出張が、スケジュールの都合で不可能となったことで未使用の金額が発生した。
26年度は早めに雇用を確保することで未使用額がでないようにする。消耗品等の研究に必要な予算に関しては予定通り使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] カテコール分解遺伝子導入によるPCB分解菌の分解遺伝子群転写活性の強化2013

    • Author(s)
      伊藤拓,遠藤銀朗,福田雅夫,宮内啓介
    • Journal Title

      土木学会論文集G(環境)

      Volume: 69 Pages: III485-III493

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] PCB 分解菌の PCB 分解遺伝子転写抑制に関する因子の探索2014

    • Author(s)
      佐藤俊哉
    • Organizer
      土木学会東北支部研究発表会
    • Place of Presentation
      八戸工業大学
    • Year and Date
      20140308-20140308
  • [Presentation] カテコール分解遺伝子導入によるPCB分解菌の分解遺伝子群転写活性の強化2013

    • Author(s)
      伊藤拓
    • Organizer
      環境工学研究フォーラム
    • Place of Presentation
      北海道大学
    • Year and Date
      20131119-20131121

URL: 

Published: 2015-05-28  

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