2013 Fiscal Year Research-status Report
様々な骨格筋収縮パターンを再現する培養細胞系の創製とその応用
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24580147
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
根建 拓 東洋大学, 生命科学部, 教授 (50375200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 英夫 東洋大学, 生命科学部, 教授 (50416921)
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Keywords | ストレス / 収縮パターン / 骨格筋 |
Research Abstract |
本年度は、我々が開発したin vitro擬似的運動刺激系を用い、高度発達型C2C12筋管細胞に対して様々な収縮刺激を加えて細胞内シグナルおよび細胞生理応答がどのように変化するのかを詳細に解明することとした。まず、収縮刺激に応答した細胞内シグナルを1. 糖代謝メカニズム、2. 酸化ストレス応答、3. 運動因子(運動依存的分泌因子)の3つの視点から解析した。その結果、は以下の通りとなった。 1. GLUT4膜移行制御に重要な役割を果たしているSortilinの発現量が運動後速やかに上昇するが、持久的運動によってその量を減少させる、2段階の制御機構が存在することがわかった。さらに運動によって活性上昇することが明らかとなっているAMPキナーゼの関与を精査したところ、Sortilin減少を制御していることが示唆された。 2. 酸化ストレス関連遺伝子群の中でSOD2のみが運動後に発現上昇することがわかった。また予備的な結果ではあるが、このSOD2発現上昇によって運動による酸化ストレス増大が抑制されていることが示唆されている。 3. 運動による分泌上昇する因子のプロテオミクス解析による網羅的同定を試みた。現在までに運動によって発現上昇あるいは下降する因子を複数同定することに成功した。 以上、我々は骨格筋における収縮刺激依存的な生理変化を新たに発見することに成功しており、最終年度において収縮パターンによって、これらの生理・シグナル変化がどのように影響されるのかを精査することを予定している。また、本研究成果は、神経細胞をはじめとする他の細胞におけるストレス依存的な細胞応答解明にも重要な情報を提供している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、申請者らが開発したin vitro擬似的刺激系を駆使した研究によって、多くの新規運動依存的生理変化およびメカニズムが明らかとなってきた。今後、収縮パターンによる影響および動物実験による確認が必要な段階ではあるが、総合的に判断すると研究計画はおおむね順調に進展しているのではないかと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、研究計画に記載したステップ2「各種収縮による骨格筋細胞生理変化の比較解析」までほぼ順調に推移してきている。最終年度は収縮パターンに応答したこれら生理変化の挙動解析を行い、本プロジェクトの集大成となる見解を発表していきたいと考えている。
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Research Products
(5 results)