2013 Fiscal Year Research-status Report
ナラ類集団枯損の防除物質の探索とその利用可能性について
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24580154
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
塩野 義人 山形大学, 農学部, 教授 (80361278)
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Keywords | ナラ枯れ / ナラ枯れ病原菌 / 植物内生菌 / サイトスポロン類 / 糸状菌 / 抗菌活性物質 / カシノナガキクイムシ / スクリーニング |
Research Abstract |
【目的】ナラ枯れは、カシノナガキクイムシがナラ枯れ病原菌を媒介することによって発生する。 本研究では、微生物の物質生産能力に着目し、ナラ枯れ病菌抑制物質をナラの木に内生する菌類の培養物より探索を行った。すなわち、野外でナラ枯れ罹病木を採取し、表面殺菌後、植物体に内生する菌類を分離し、その菌類の代謝産物から、ナラ枯れ病菌に対する生育抑制物質として、新しいサイトスポロン E の類縁物質を明らかした。 【方法と結果】ナラ枯れ罹病木より糸状菌 29 株を分離し、それぞれの培養物について、ナラ菌に対する生育阻害活性試験を行った。その結果、糸状菌 TT-10 株に阻害活性が見られたため、本菌の生産する活性物質を明らかにすることとした。そこで、TT-10 株の大量培養物について、その培養物のメタノール抽出物について、活性試験と TLC 上での挙動を指標に各種カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物 1~5 を単離した。次に、それぞれの化合物の NMR や MS データを用いた構造解析の結果、 1, 3, 4, 5 は既知のインテグラシン A、サイトスポロンA、N、サイトカラシン類であった。一方、化合物 2 は、分子内に ガンマ - ラクトンを有するサイトスポロン E の新しい誘導体であった。また、活性試験の結果、化合物 2 やサイトカラシン類がナラ枯れ病菌に対する生育阻害抗菌活性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の計画にあるように菌類からの物質の単離精製が主目的であり、菌類の分離が順調に進んでおり、活性物質も数種類明らかにすることが出来たことから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成25年度の実験において、分離した菌類が生産するナラ枯れ病原菌に対する抗菌活性物質を引き続き分離する。また、活性物質に付いては、培養条件を検討しながら、活性物質の生産性の向上を検討する。さらに、活性物質を用いた野外でのナラ枯れ病原菌の生育抑制実験についても検討する。
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Research Products
(3 results)