2014 Fiscal Year Annual Research Report
ペチュニア花香の多様性を制御する還元酵素の機能解析
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24580162
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
肥塚 崇男 山口大学, 農学部, 助教 (30565106)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 香気成分 / 植物二次代謝 / ペチュニア / 還元酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
園芸植物として知られる南米原産のペチュニアは、多様なフェニルプロパノイド系香気物質を放散する。本研究では、香気成分組成が異なるペチュニア品種においてフェニルプロパノイド側鎖の化学構造に着目し、生合成経路の鍵酵素である二重結合還元酵素(double bond reductase: DBR)の同定と酵素化学的解析を通して、ペチュニア香気物質の生合成系の分岐がどの段階で起こっているかを解明することを目的とした。現在までに既知の還元酵素ファミリーの保存領域から設計した縮重プライマーを用いて、3つのDBR候補遺伝子(PapDBR1, PapDBR2, PapDBR3)の全長cDNAを単離することに成功した。昨年度までに行ったRT-PCRによる遺伝子発現解析の結果では、PapDBR1がフェニルプロパノイド系香気物質の蓄積プロファイルと一致する花弁特異的な発現が見られた。一方で、ペチュニア花香の生成量は昼間に少なく夕方から朝方にかけて増加する日周性が見られたことから、今年度は昼夜における遺伝子発現解析を行った。その結果、PapDBR1, PapDBR2, PapDBR3全ての遺伝子で昼間に遺伝子発現量が低く、夜間に高いという日周性が見られた。一方で、大腸菌発現系により調製した組換え酵素を用いて酵素活性を測定したところ、PapDBR1はp-クマル酸およびコニフェリルアルデヒドとの反応性が高いことが明らかとなった。以上の結果から、少なくともPapDBR1が花弁においてp-クマル酸およびコニフェリルアルデヒドを基質に還元反応を触媒していることが考えられた。
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