2013 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマーを予見するバイオマーカーと予防に資する食品の新機能の開拓
Project/Area Number |
24580170
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲川 清隆 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80361145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 陽夫 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20157639)
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Keywords | アルツハイマー / バイオマーカー / 過酸化脂質 / キサントフィル / アミロイドβ / miRNA |
Research Abstract |
アルツハイマー型認知症(AD)では、治療法の開発に加え、いち早くADを察知し予防を開始できるように“ADバイオマーカーの開発”が望まれている。①我々は、ADの赤血球では、過酸化リン脂質やキサントフィルが大きく変動することを見出しており、この知見を発展させて、ADバイオマーカーの開発へとつなげる。また、別のストラテジーとして、②血液に含まれる約1000種のマイクロRNA(miRNA)の網羅解析を行うことができ、血液や髄液へ活用して、有用なADバイオマーカーmiRNAを見出す。さらに、③こうしたADバイオマーカーを制御して、AD予防につながる食品の新しい機能を見出す。これらを目的に、本研究を進めている。 本年度(平成25年度)①では、昨年度までの研究で赤血球の過酸化リン脂質、キサントフィル、Aβは有益なADバイオマーカー候補と示唆されたため、動物実験で検証した。その結果、脳からAβが血中へ漏出し、赤血球の過酸化とキサントフィルの低下を招くことを示唆する知見が得られ、それ故、これら(赤血球過酸化リン脂質、キサントフィル、Aβ)のADバイオマーカーとしての可能性が支持された。②では、ADと健常者について、前年度に解析した血漿に加え今年度は髄液からもmiRNAを抽出し、miRNAマイクロアレイとRT-PCRを用いて血漿と髄液に含まれるmiRNAを解析し、その結果、幾つかの有用なADバイオマーカーを見出した(J Alzheimers Dis, 39, 253-259, 2014)。 このように概ね計画に沿って研究は順調に推移している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように現在までに、①では、昨年度までの研究で赤血球の過酸化リン脂質、キサントフィル、Aβは有益なADバイオマーカー候補と示唆されたため、このことを動物実験で検証した。その結果、脳からAβが血中へ漏出し、赤血球の過酸化とキサントフィルの低下を招くことを示唆する知見が得られ、それ故、これら(赤血球過酸化リン脂質、キサントフィル、Aβ)のADバイオマーカーとしての可能性が支持された。 ②では、ADと健常者について、前年度に解析した血漿に加え今年度は髄液からもmiRNAを抽出し、miRNAマイクロアレイとRT-PCRを用いて血漿と髄液に含まれるmiRNAを解析し、その結果、幾つかの有用なADバイオマーカーを見出した(J Alzheimers Dis, 39, 253-259, 2014)。 このように概ね計画に沿って研究は順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
①は当初から本年度(平成25年度)で終了予定である。 ②では計画を一部修正し、ヒト血漿と髄液のmiRNA発現プロファイルを数多く得ることができたため(J Alzheimers Dis, 39, 253-259, 2014)、さらに詳細に解析し、ADバイオマーカーとして活用できるもっとも有用なヒトmiRNAを絞り込む。このmiRNAの有用評価のための培養細胞試験も計画している(平成26年度)。 そして③として、 こうしたADバイオマーカーを制御できる食品(成分)の探索と効能評価へつなげる。ヒト赤血球の脂質過酸化については、キサントフィル(とくにルテインやアスタキサンチン)の有効性をすでに見出しており(Brit J Nutr, 105, 1563-1571 (2011), Brit J Nutr, 102, 1280-1284 (2009))、重点的に評価する計画である(平成26年度)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額421,444円は、3月の消耗品代と、3月末の農芸化学会2014年度大会での情報収集のための本人および学生の旅費と参加費である。 上述のとおり、3月分の支払のため、実質的には既に使用している。
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Research Products
(3 results)