2014 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期・離乳期でのαリノレン酸のドコサヘキサエン酸への代謝調節機序の解明
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24580171
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 ふみ子 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50321980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 陽夫 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20157639)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 食品科学 / 栄養学 / ラット / 授乳期 / リノレン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はαリノレン酸のDHA源としての重要性について明らかにするため、研究を進めている。本年度は昨年度までの成果を取り纏め論文投稿を行った。 また、石巻および気仙沼在住の妊婦から提供されたヒト胎盤の脂肪酸分析をさらに進め、Δ6不飽和化酵素活性の指標となる22:4n-6と22:5n-6、DHAと22:5n-3、Δ5不飽和化酵素活性の指標となる20:4n-3とEPAについて相関関係を解析した。n-6系列のLC-PUFAの22:4n-6と22:5n-6は食品の含有量が少なく、主にアラキドン酸から生合成されるが、胎盤でのこれらの脂肪酸の相関係数は0.6以上と良好な線形関係を示した。n-3系列でこれらの脂肪酸に相当するDHAとその前駆体の22:5n-3でも、0.6以上の高い相関係数が得られ、n-6系列とn-3系列でそれぞれ求めたΔ6不飽和化酵素index(22:5n-6/22:4n-6およびDHA/22:5n-3)間に有意な相関が見られた。また、20:4n-3とEPAでも強い相関(R>0.7)がみられ、n-6系列とn-3系列それぞれのΔ5不飽和化酵素index(ジホモγリノレン酸/アラキドン酸およびEPA/20:4n-3)同士でも有意な正の相関が観察された。食事由来のLC-PUFAの前駆体と生成物の関係は、n-6系とn-3系独立していると考えられるため、今回の胎盤試料での結果は、母親からのDHA供給にα-リノレン酸からの生合成経路も関与することを示唆している。さらなる詳細な検討が必要なため、今後も別の外部資金を獲得し研究を進めていく予定である。
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