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2012 Fiscal Year Research-status Report

味覚受容体における味物質認識機構の解析

Research Project

Project/Area Number 24580172
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

井深 章子  山形大学, 理学部, 准教授 (60301420)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords甘味受容体
Research Abstract

将来的な甘味受容体と味物質の分子相互作用解析を目指し、平成24年度はヒト甘味受容体の細胞外ドメインの発現系構築を試みた。
甘味受容体はhT1R2とhT1R3という異なる2分子から形成されるヘテロ二量体である。核サブユニットはN末端細胞外ドメイン、システイン残基に富むCys-rich領域、7本のα-ヘリックスから形成される膜貫通領域、C末端細胞内領域で形成され、このうちN末端細胞外ドメイン(ATD)が甘味物質を結合・認識する。本研究ではATDのみの発現系構築を目指し、発現に用いる宿主の検討、発現ベクターおよび融合蛋白質コンストラクトの検討を行った。
まず、融合させる蛋白質として、融合した蛋白質の可溶性を高めることが知られているマルトース結合蛋白質(MBP)を選択した。pET系のベクターを用いてhT1R2、hT1R3のそれぞれのATDのN末端側にMBPを配置し、2つの蛋白質の間にはTEVプロテアーゼ切断部位、さらに全体のN末端に(His)6タグ、C末端にFLAGタグを付加した融合蛋白質の発現ベクターを構築した。宿主としては大腸菌BL21(DE3)pLysS, Shuffle T7 Express, Origami(DE3)3種の菌株を選択し、融合蛋白質の発現を確認した。全ての菌株において、目的蛋白質は生産されているものの、その大部分は不溶性画分に存在していた。大腸菌の培養温度を18℃に下げると、Origami(DE3)にジスルフィド結合イソメラーゼ(DsbC)発現プラスミドを導入した菌において、目的蛋白質が可溶性画分に確認された。
融合蛋白質の(His)6タグを用いたアフィニティクロマトグラフィ精製を行い、精製蛋白質に対してTVEプロテアーゼ処理を行った。しかし融合蛋白質はTEVプロテアーゼによってほとんど切断されないことが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

将来的な甘味受容体と味物質の分子相互作用解析を目指し、平成24年度はヒト甘味受容体の細胞外ドメインの発現系構築を試みた。pET系のベクターを用いてhT1R2、hT1R3のそれぞれの細胞外ドメインのN末端側にマルトース結合蛋白質を配置し、2つの蛋白質の間にはTEVプロテアーゼ切断部位、さらに全体のN末端に(His)6タグ、C末端にFLAGタグを付加した融合蛋白質の発現ベクターを構築した。大腸菌Origami(DE3)にジスルフィド結合イソメラーゼ(DsbC)発現プラスミドを導入した菌においてこの融合蛋白質の発現を試み、目的蛋白質が可溶性画分に確認された。また、この発現系を用いて生産した融合蛋白質は、(His)6タグを用いたアフィニティクロマトグラフィ精製によってある程度精製されることが確認できた。
しかしながら、TEVプロテアーゼ処理を行ったところ、融合蛋白質はTEVプロテアーゼによってほとんど切断されないことが判明した。味覚受容体の解析においてはマルトース結合蛋白質の除去が必要となるため、発現コンストラクトの再検討が必要な状況である。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は、味覚受容体細胞外ドメインとマルトース結合蛋白質の融合蛋白質発現系の構築を行った。融合蛋白質の発現は確認されたが、2つの蛋白質の間にTEVプロテアーゼ切断箇所があるにも関わらず、TEVプロテアーゼ処理を行っても融合蛋白質は切断されなかった。
この理由としては、TEVプロテアーゼ認識配列が2つの蛋白質の間に挟まれて埋もれており、プロテアーゼが作用できない状態になっている可能性が考えられる。味覚受容体の解析においてはマルトース結合蛋白質の除去が必要となるため、TEVプロテアーゼ認識配列前後にアミノ酸をすう残基導入した発現コンストラクトを再構築する予定である。
また、マルトース結合蛋白質以外の融合蛋白質についての検討、大腸菌以外の宿主の検討も行い、味覚受容体細胞外ドメインを可溶性で大量に発現する発現系を確立する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度の実験から、プロテアーゼ処理によって融合させたマルトース結合蛋白質を切り離せるような発現コンストラクトを検討する必要があることが判明した。次年度は、この課題を中心として、引き続き味覚受容体細胞外ドメインの発現系の構築・改良を行う。解析に十分な量の蛋白質が得られる条件を決定した後、培養量を増やして蛋白質の大量発現・精製を行う。そのために、中型恒温振とう培養機(タイテック社BR-40LF・MR)の導入が必要となる。
プロテアーゼによって融合したマルトース結合蛋白質を除去できる発現コンストラクトを確立した後、甘味受容体と甘味物質の分子間相互作用解析を行う。この解析には、解析装置の消耗品購入が必要となる。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ヒト甘味受容体タンパク質 hT1R2/hT1R3ATD の発現・精製

    • Author(s)
      佐藤沙知、大石佳奈、大谷典正 、井深 章子
    • Organizer
      日本農芸化学会東北支部 第147回大会
    • Place of Presentation
      弘前大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

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