2012 Fiscal Year Research-status Report
新規摂食応答遺伝子による脂肪酸合成制御機構の解析と抗肥満への応用
Project/Area Number |
24580175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 順 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (70323962)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 抗肥満 / 脂肪酸合成 / 脂肪肝 |
Research Abstract |
MIG12は核内受容体LXRにより発現誘導を受ける新規遺伝子として申請者らが発見した遺伝子であり、肝臓において摂食時に発現上昇し、新規脂肪酸合成の促進に関与することをこれまでに報告してきた。本申請研究では、MIG12による脂肪酸合成促進機構について、特に脂肪酸合成の律速酵素であるACCの活性調節機構に焦点を絞り解析を行った。 その結果、MIG12の過剰発現によりACCのポリマー化が促進することを見出した。ACCはポリマー化によりその酵素活性が上昇することが知られており、MIG12によるACCポリマー化の亢進は、ACCの酵素活性を上昇させると考えられた。また、ACCポリマー化亢進に必要なMIG12の領域を探索したところ、MIG12のC末端側に存在するロイシンジッパードメインが重要な役割を担っていることが明らかになった。 また、マウス肝臓でのMIG12発現を抑制するためにASO法を用いるが、そのための予備検討として、MIG12遺伝子に相補的な20塩基の一本鎖RNA配列を検討し、決定するに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の「研究の目的」の24年度の項目に記載した研究内容についておおむね計画通りに進めることが出来ている。 計画通りに進まなかった点として、MIG12とS14の融合タンパク質による解析が挙げられる。融合タンパク質の発現ウイルスの作製は行うことが出来たが、ACCポリマー化や脂肪酸合成への影響について再現性のある結果を得るまでには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、交付申請書の研究計画に沿って研究を進める。 MIG12とS14との融合タンパク質の解析については、用いる細胞の変更を視野に入れて検討を行う。これまでは、肝がん由来の株化細胞を用いてきたが、ラット初代培養肝細胞を用いることを考えている。 ASO法によるMIG12発現の抑制については、in vitroでは抑制効果が得られているが、in vivoで必ずしも抑制効果が得られるとは限らず、慎重に進める必要がある(動物に投与する量のASOの合成費用は高額であるため、慎重に配列を決定する必要がある)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)