2013 Fiscal Year Research-status Report
マトリプターゼ活性化機構の解明とそれを制御する食品成分の探索
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24580178
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
都築 巧 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50283651)
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Keywords | 酵素 / 食品 / 遺伝子 / バイオテクノロジー / 栄養学 |
Research Abstract |
マトリプターゼはステムドメイン、触媒ドメインから成る膜結合性セリンプロテアーゼであり、脊椎動物の上皮構造維持に重要な役割を担っていると考えられている。本酵素は一本鎖前駆体のアルギニン614のカルボキシル末端で限定分解を受けるとジスルフィド結合を介して結合した二本鎖の活性体へと変換される。また、マトリプターゼ前駆体はプロテアーゼ活性を有し、活性化開裂を自己触媒的に行うと考えられている。本研究ではマトリプターゼ前駆体の活性発現のメカニズム、特に活性発現におけるステムドメインの意義を明らかにすること、前駆体活性に影響を与える食品成分の探索、を目的とする。我々はこれまでCHO-K1細胞を用いてマトリプターゼの全細胞外領域を含むもの proMAT や触媒ドメインのみから成る組換え型マトリプターゼ proCDMAT を生産してきている。これらの組換え型蛋白質は活性化開裂部位Thr-Lys-Gln-Ala-Arg614がエンテロキナーゼの認識配列Asp-Asp-Asp-Asp-Lysに置換されており、エンテロキナーゼを作用させることによって二本鎖の活性体へと変換することができる。これらは精製した段階では一本鎖酵素であり偽前駆体として使用することができる。平成24年度は (1) 基質としてacetyl-Phe-Thr-Lys-Gln-Ala-Arg-MCAを準備、proMATはこの基質を切断するが、proCDMATには切断活性がほとんどみられないこと、(2) ステムドメインのなかでも低密度リポ蛋白質受容体(LDLRA)ドメインが特に重要であることを支持する結果も得られた。平成25年度はproMATが活性部位のセリン805をアラニンに変換した前駆体マトリプターゼS805A-proMATを切断する活性があることを見いだし、また新規抗マトリプターゼ抗体の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マトリプターゼは自己触媒的に活性化されることが知られていたが、proMAT, deltaCUB-proMAT(proMATからCUBドメインを除去した変異体),proCDMAT によるFTKQAR-MCAの切断能の比較から、LDLRAドメインが前駆体活性発現に重要な役割を果たしていることが確認されたため。また、S805A-proMATを基質として用いた実験から前駆体マトリプターゼが他の前駆体マトリプターゼを活性化している(intermolecular interaction)ことが明らかになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
proMAT, deltaCUB-proMAT,proCDMAT の Ac-FTKQAR-MCA切断活性の比較から、前駆体活性発現にはLDLRAドメインが重要な役割を果たしていることが確認された。平成26年度はproMAT, deltaCUB-proMAT,proCDMAT のS805A-proMAT切断活性の比較により、LDLRAドメインの重要性をさらに確かめる。また、proMATによるAc-FTKQAR-MCAとS805A-proMATの切断アッセイにおいて、ミネラル類の効果(特にカルシウム、マグネシウムなどの2価のカチオン)について検討する。
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Research Products
(1 results)