2013 Fiscal Year Research-status Report
オボアルブミンの凝集体形成機構:初期中間体オリゴマーのX線結晶構造解析
Project/Area Number |
24580180
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 延行 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20252520)
|
Keywords | オボアルブミン / 凝集 / コンフォーメーション |
Research Abstract |
オボアルブミンは卵の加工特性を特徴付ける重要な食品タンパク質であり、凝集体形成やゲル化のモデルとして研究されてきた。これまでのモデルは、オボアルブミン分子を球体で表した解像度の低いものであったが、現在では本タンパク質や類縁タンパク質のX線結晶構造解析が進み、各アミノ酸残基の位置や、方向を反映した高解像度での分子モデルが構築できる条件が整っている。そこで、本研究では、、凝集体形成の初期に生成するオリゴマー(二量体や三量体など)を分離精製し、X線結晶構造解析によりその立体構造を明らかにし、それを核として、凝集・組織化の進むプロセスの解明を目的としている。二量体や、三量体の生じやすい条件を検索し、アルカリ条件での加熱を行い、陰イオン交換カラムによって、オリゴマーの含量の高い画分を調製、結晶化を試みている。 また、重合時に糖鎖の及ぼす影響を懸念して、糖鎖修飾の無い大腸菌による組換え型オボアルブミンの生産を試み、加熱条件、分離条件の検討に着手している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルカリ条件下で加熱したオボアルブミンについて、二量体、モルテングロビュール様の画分、および、高分子化重合物の画分を得ることができたので、それぞれの結晶化条件を検索している。また、これらの画分のCDスペクトル解析による分光学的な特性として、前二者が、天然状態に比べて、やや変性状態に近い構造を有していることが示唆され、分子重合の中間体としての、モルテングロビュール様の構造の重要性が明らかとなってきた。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、組換え型オボアルブミンと、分子内SS結合を切断した分子種について、分離精製と、結晶化を試み、構造解析につなげたいものと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画では、得られたオリゴマーの結晶について、高輝度光科学研究センターSpring8にて、データ収集を行う予定てあったが、現在のところ、これに適した結晶を得るに至らなかったので、データ収集に関する予算(旅費・消耗品、その他)を執行することができなかった。 引き続き、結晶化の試みを行う計画であるが、組換え型オボアルブミンに関する研究に重点を置いて、さらに、変異体を広く作成することにより、結晶化に適したサンプルを見出すため、予算を使用する計画である。
|
Research Products
(2 results)