2013 Fiscal Year Research-status Report
ケンフェロール分解物による薬物代謝第II相酵素活性化機序の解明
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24580182
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橋本 堂史 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90362764)
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Keywords | 薬物代謝第II相酵素 |
Research Abstract |
西洋ワサビ由来ケンフェロール配糖体の経口摂取は肝臓中の薬物代謝第II相酵素の活性を上昇させるが、これには腸内細菌によるケンフェロール配糖体の分解物4-ヒドロキシフェニル酢酸が関与していることを明らかにしている。そこで、今年度はケンフェロール配糖体摂取時の4-ヒドロキシフェニル酢酸の体内動態について調べた。マウスに100 mg/kg体重量の本ケンフェロール配糖体を単回経口投与したとき、抱合を受けていない4-ヒドロキシフェニル酢酸の血中動態について解析を行った。そのCmaxは100 μM、Tmaxは2.0時間AUC∞は2.0 mmol/L•hであった。また、4-ヒドロキシフェニル酢酸、ケンフェロールおよびp-クレゾールについて、それぞれの抱合体についても同様の体内動態パラメーターについて解析を行った。また、本ケンフェロール配糖体と同様に小腸で代謝吸収されないと報告されているルチン(ケルセチン配糖体)についても腸内細菌により3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸が生成され、肝臓中の薬物代謝第II相酵素の活性を増加させると考え、同様の実験を行った。その結果、肝臓中の3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸量が増加し、肝臓中の薬物代謝第II相酵素であるキノン還元酵素の活性が上昇することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象とするケンフェロール配糖体摂取による薬物代謝第II相酵素の活性化機序についてはその分解物が関わることを明らかにすることができ、さらにルチンについても同様の機序により活性の増加すると考えられるエビデンスをin vivoにおいて明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、in vitroでの研究を中心に、西洋ワサビ由来ケンフェロール配糖体およびルチン(ケルセチン配糖体)の薬物代謝第II相酵素活性化に関わる機序を解明するため、薬物代謝第II相酵素発現系に関わるタンパク質分子(Nrf-2やKeap1など)の変動などについて明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬の購入において予定よりも安く購入できたため。 試薬の購入に充てる予定である。
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