2014 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分によるDNA損傷応答反応の制御に関する研究
Project/Area Number |
24580203
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
西田 浩志 新潟薬科大学, 応用生物科学部, 教授 (60322541)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | チェックポイント / 癌治療 / 放射線 / 抗癌剤 / スクアレン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究では、米糠に含まれる成分を複数の画分に分けて細胞に処理したところ、抗癌剤ドキソルビシン(DOX)による細胞致死作用の増感効果が認められた。米糠はDOXにより活性化されたATMの阻害作用を有する成分を含むことが示唆された。論文投稿の準備を進めている。また、米糠に含まれるトコトリエノールおよびフェルラ酸に着目してこれらの癌細胞増殖に及ぼす影響を調べたところ、各々の化合物のみを培地に添加するより、双方を同時に添加した場合において、相乗的な癌細胞の増殖抑制作用が認められた。論文として海外の査読付き論文に投稿を完了した(BBRC誌2014年)。 加えて、これまで癌治療の際に併用することで治療の効率化が可能になると考えられてきた生体成分の一つであるスクアレンについてもその作用メカニズムを検討した。スクアレンはコレステロールの前駆体として体内で生合成もされるが、オリーブ油やサメの肝油にも含まれていることから健康食費として活用されている。本研究においてスクアレンの癌治療増感作用について検討を行ったところ、ATMやATRなどのチェックポイントシグナルには直接的な影響が認められなかった。しかしながら、ATMとATRを脱リン酸化作用により負に制御している「Wip1」という酵素の発現が一過性に高まることが分かった。前年度までに明らかにしたSchisandrinBによるATRの直接的阻害や柿葉ポリフェノールによるATMの直接的阻害とは明確に異なる作用で、チェックポイントシグナルを制御する因子として応用できることが示された。しかも生体成分によるシグナル制御であることから、スクアレン自身による副作用は考えられない。実際に高濃度(300μM)の処理であっても細胞数の減少は認められなかったことや、細胞内への取り込みも効率的に行われている結果を得た。
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[Patent(Industrial Property Rights)] 抗癌剤2014
Inventor(s)
赤井 昭二、青島 啓太、西田 浩志 ほか3名
Industrial Property Rights Holder
赤井 昭二、青島 啓太、西田 浩志 ほか3名
Industrial Property Rights Type
特許
Industrial Property Number
特願2014-142432
Filing Date
2014-07-10