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2012 Fiscal Year Research-status Report

脂質異常症における細胞膜微小ドメインの変容とその機能解析

Research Project

Project/Area Number 24580204
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKinjo Gakuin University

Principal Investigator

津嶋 宏美  金城学院大学, 薬学部, 准教授 (10080079)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 堂前 純子  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70227700)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords脂質異常症 / 細胞膜 / カベオラ / コレステロール / 体温 / 行動
Research Abstract

脂質異常症を呈する病態モデル動物(長期高脂肪食摂取ラット、ABCA1ノックアウト(KO)マウス、ABCA7 KOマウス)を用いた実験より下記の結果を得た。
①体温:各種高脂肪食摂取ラットのうち、20%大豆油含有飼料20週摂取動物の体温が有意に低下していた。また、普通食群と比較し、脳室内投与したIL-1betaの体温上昇作用の増強、Bombesinによる体温降下作用の減弱が観察され、高大豆油含有飼料摂取が視床下部体温中枢調節機能に影響を及ぼしている可能性が示唆された。ABCA1 KOマウスでは、野生型と比較し体温の日内変動が大であり、体温調節機能が変容していた。
②不安行動解析:高架式十字迷路実験により、ABCA7 KOマウスが野生型と比較して不安行動の抑制が認められた。一方、ABCA1 KOマウスの不安行動は野生型と差がなかった。
③痛覚:ABCA1 KOマウスは、野生型マウスに比較し痛覚が過敏であり、鎮痛薬ブブレノルフィンの効果も減弱していたが、ABCA7 KOマウスでは有意な差は認められなかった。
④各種パラメーター:高大豆油含有飼料摂取ラットの血糖値、血中HDL-cholesterol、Triglyceride、Total cholesterolは、普通飼料摂取群と差はなかった。30種のアディポカインを抗体アレイキットで検討したところ、高大豆油含有飼料摂取ラットでICAM、IGF binding protein、leptin、M-CSF、resistinなどが増加していた。ABCA1 KOマウスとABCA7 KOマウスの体重は野生型に比し軽く、ABCA1 KOマウスの血中Triglycerideは差がなかったが、総cholesterolとHLD-cholesterolは有意に低値を示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度の平成24年度は、各種脂質異常症を呈する病態モデル動物を用い①体温と運動量の測定および昼夜行動パターン、睡眠の時間/パターン、②うつ・不安行動、③記憶・学習能力、④摂食・摂水行動、⑤①~④の行動・脳機能に対する脳内投与薬物による影響、⑥各種脳内神経伝達物質の遊離量の変動、⑦血漿中の各種ホルモン濃度の変動を解析する予定であった。
「実績の概要」で示したように、高脂肪食摂取動物、ABCA1 KOマウスおよびABCA7 KOマウスを用いた実験は、③と⑥を除きほぼ計画通り遂行した。ABCA1 KOマウスおよびABCA7 KOマウスの繁殖が計画通りいかず、一部行動実験を行うことができなかった。また、apoE欠損マウスを用いる実験は、動物が入手できず行っていない。
一方で、初年度以降に行う予定であった血中アディポカイン測定やカベオリンのmRNAおよびタンパク量発現の実験にはすでに着手している。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度で行うことができなかった行動・高次脳機能解析実験をまず実施する。そのために必要なapoE欠損マウスおよびABCA1/ABCA7 KOマウスの入手・繁殖に着手している。実験動物が入手できれば、実験方法は昨年度と同様であり、問題なく計画通りの実験が達成できると考えている。その他予定している脂質プロファイルの作成、コレステロール定量、PCR法によるmRNA定量なども、以前実施した通常の実験であり問題はない。
並行して、昨年度採取し保存しておいた中枢神経組織、血漿を用いて、「次年度の計画」で述べた実験を行う。apoE欠損マウスに関しては、今年度できるだけ早く行動・高次脳機能解析実験を終了し、実験終了後に採取したそれらの中枢神経組織・血漿を用いて「次年度の計画」で述べた実験を行う。
「次年度の計画」のなかで特に困難な実験は、密度勾配法によるカベオラ/ラフト分画の採取、コレステロールの局在を調べるための特異的に結合するプロ-ブの開発である。今年度は、より実施が可能なカベオラ/ラフト分画の採取から取り掛かる予定である。そのため、経験者から密度勾配法の習得に努める。プローブの開発については、まず論文を精査し、プローブの選択・検出方法などについて共同研究者と協議・検討する。次々年度の完成を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度および今年度の実験で使用した脂質異常症を呈する動物(各種高脂肪食長期飼育ラット・apoE欠損マウス・ABCA1/ABCA7 ノックアウトマウス)から採取・保存しておいた中枢神経組織を、大脳前頭葉・後頭葉・視床下部・大脳基底核等の部位に分割し、遠心分離法により細胞膜画分と細胞質画分に分け、一部の細胞膜画分から密度勾配法により脂質ラフト/カベオラ分画を採取する。これらを用いて、以下の実験を計画している。
①ガスクロマトグラフィーによる脂質プロファイルの作成、②ELISA法によるコレステロールの定量、③電気泳動ウエスタンブロティング法あるいはELISA法による各種タンパク質(カベオリン、NO合成酵素、受容体)や細胞内情報伝達分子の定量、④PCR法による各種タンパク質mRNA発現量の測定、⑤顕微鏡下で脂質ラフト・カベオラ構造の観察を容易にするため、コレステロールに特異的に結合する蛍光プローブの開発

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 異なる種類の高脂肪食がラット褐色脂肪組織の生化学指標に及ぼす影響2012

    • Author(s)
      ○ 山田英里、津嶋宏美、森(河辺)真由美 宮澤大介、安井裕子、大久保剛、日比野英彦、奥山治美、山田和代
    • Organizer
      脂質栄養学会
    • Place of Presentation
      神奈川県相模原市
    • Year and Date
      20120907-20120908

URL: 

Published: 2014-07-24  

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