2012 Fiscal Year Research-status Report
多様な施業を組み合わせた時空間森林計画に関する研究
Project/Area Number |
24580215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
龍原 哲 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40227103)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 森林計画 / 高齢林 / 複層林 / 地位推定 / 地理情報システム |
Research Abstract |
東京大学千葉演習林のヒノキ人工林内に標本点52点を取り、その点の周囲にある優勢木または準優勢木5本の樹高を測定し、各点における平均樹高を求めた。DGPSとデジタルコンパスを接続したレーザー距離計を用いて各点の位置を計測した。 異なる間伐強度で強度間伐後に樹下植栽して造成した二段林内に設置されたプロット4箇所において、上木の胸高直径と樹高を測定した。また、強度間伐後に樹下植栽して造成した二段林内に設置されたプロット5箇所において、上木および下木の胸高直径と樹高を測定した。 各樹種の地位を推定しうる地形因子として、斜面傾斜角、集水域積算、湿性指数、露出度、陰影起伏、曲率、断面曲率、平面曲率を候補とし、地理情報システム(GIS)を用いてこれらの値を数値標高モデル(DEM)から算出した。測定したヒノキ人工林内の標本点および既に測定されたスギ人工林内の標本点における平均樹高から基準林齢を60年とする地位指数を推定した。判別分析により、標本点における地位指数と環境因子との関係を分析したところ、スギでは斜面傾斜角、集水域積算、露出度、曲率の4つの地形因子が、ヒノキでは湿性指数、露出度、平面曲率の3つの地形因子が説明変数として選択された。この結果を用いて、対象地全体に対してスギおよびヒノキの地位級区分を行った。 東京大学千葉演習林において、スギ・ヒノキ高齢林の伐出に関わる功程および諸経費、伐採後の造林および保育に関わる功程および諸経費を調査した。特に、近年問題になっているシカ対策用の柵を設置するために要する人工数を林分の周囲長から推定する式を求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度交付申請書に記載した本年度の研究実施計画と比較して、概ね計画通りの内容を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に続き、東京大学千葉演習林内に設置されている試験地の測定を行う。また、これまで蓄積された測定データを基に気象災害を受ける危険度の推定方法についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
野外調査の補助をお願いした研究協力者数が予定より少なくなったため、人件費・謝金の支出が予定より少なくなり、残金が生じた。平成24年度中に投稿した論文が平成25年度に印刷されることが決まったので、残金は論文の別刷り代金として平成25年度に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)