2014 Fiscal Year Annual Research Report
可視光-近赤外光反射画像を利用した新たな樹木細根動態評価手法の確立
Project/Area Number |
24580235
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
野口 享太郎 独立行政法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (70353802)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多重分光画像解析 / 生細根 / 枯死細根 / マルチバンドイメージスキャナ |
Outline of Annual Research Achievements |
樹木細根(直径2 mm以下の根)の生産量は、森林の純一次生産量の数十%を占めるとされ、枯死細根は森林の地下部への主要な有機物供給源の一つと考えられている。そのため、生細根および枯死細根の現存量や細根の生産速度を精度よく推定することは、森林の炭素・養分動態を明らかにするために必要不可欠なことである。本研究は、この樹木細根の持つ可視光-近赤外光反射特性を利用して細根の生死判別を行い、細根動態の解析、評価を行うことを目的としている。 本研究では、マルチバンドイメージスキャナ(アイメジャー社)を用いて波長560 nm、660 nm、840 nm、910 nmのヒノキ細根の反射画像を取得し、リモートセンシング用の画像解析ソフトウェア(Multispec、Purdue大学)により、その生死判別を行った。この際、①使用する波長の数を2波長から3波長、4波長に増やしていくと判別精度が向上する、②1次根(根端)のみ、または2次以上の高次根のみを教師データとして使用するよりも、1次根、高次根の両者を同時に教師データとして使用した方が、判別精度が全体として向上することが明らかになった。 また、高知県の35年生ヒノキ林において平成25年6月に設置したイングロースコア(根無し土壌コア)を平成26年12月にかけて繰り返しサンプリングして求めた細根生産速度は約45 g m-2 y-1であった。同じ林分でコアサンプリング法により求めた細根現存量が約128 g m-2であり、両者を併せて推定した細根ターンオーバー速度は約0.34 yr-1であった。
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