キノコバエの特殊な性フェロモンの誘引性における菌体信号物質の役割

2013 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 24580236
• Research Institution: Forestry and Forest Products Research Institute
• Principal Investigator: 所 雅彦 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 室長 (70343796)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 北島 博 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, チーム長 (70353662)
• Keywords: ナガマドキノコバエ / 菌体信号物質

Research Abstract

ナガマドキノコバエ未交尾雌成虫を用いて、群馬県産ナガマドキノコバエ合成フェロモンを用いて行動誘引試験を行った。従来の風洞による誘引試験法を改良し、揮発性の低い本種フェロモンを適度に揮散させ、偶然のメス個体の捕獲による誘引源の攪乱を防ぐことのできる新たな生物検定装置を開発し、性フェロモンの誘引活性を再現することができた。シイタケ菌床の揮発性成分をGC-MS分析した結果、テルペノイド化合物、アルデヒド化合物、芳香族化合物等いくつかの成分ピークを確認でき、主成分の一つがリモネンであることが判った。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

群馬県産ナガマドキノコバエ合成フェロモンを用いた行動誘引試験において従来の風洞による誘引試験法を改良し、揮発性の低い本種フェロモンを適度に揮散させ、また偶然のメス個体の捕獲による誘引源の攪乱を防ぐことのできる新たな生物検定装置を開発するなど、性フェロモンによる誘引活性を再現することができ、また、シイタケ菌床の揮発性成分を分析し、主成分の一つを突き止めることができる等、着実に成果が上がっている。

Strategy for Future Research Activity

シイタケ菌床の揮発性成分捕集と、各種微量機器分析を繰り返し、各構成成分の化学構造を決定する。加害昆虫に特異的な化学物質も想定し、昆虫の触角等を用いた電気生理学的手法を用いて分析し、電気生理学的に活性のあった成分に対しては、室内行動選択実験を行い、その成分の誘引性忌避性について評価し、これらをもとに、シイタケ菌体匂い成分の性フェロモン誘引力増強効果、二酸化炭素の影響を検証する。ナガマド誘引候補化合物を用いた栽培舎でのトラップ法を提案する。得られたデータを学会等で報告する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

気候変動等により予定の実験材料である対象昆虫の採集ができなかったため、余剰ができた。
実験材料の採集のための旅費に使用予定。