2014 Fiscal Year Annual Research Report
二次壁多糖類の生合成、輸送、修飾とゴルジ体の空間的・時間的挙動の解明
Project/Area Number |
24580243
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
粟野 達也 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40324660)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ライブセルイメージング / ゴルジ装置 / マンナン合成酵素 / ポプラ / プロトプラスト |
Outline of Annual Research Achievements |
35Sプロモーター制御下でマンナン合成酵素(PtCslA1)および黄色蛍光タンパク質(YFP)を発現するベクターを作製した。N末端にYFPを配置したものをYG、C末端に配置したものをGYとする。YFPのみを発現するベクターも作製した(YFP)。35Sプロモーター制御下でゴルジ局在マーカーであるマンノシダーゼ I(GmManI)および赤色蛍光タンパク質mCherryを発現するベクター(G-rk)を入手した。 前述のベクターをPEG法によりイネプロトプラストに導入し、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。YG導入細胞では細胞質に散在する直径約1µmの粒子、GY導入細胞では核および細胞質、YFP導入細胞では細胞質に蛍光が見られた。G-rk導入細胞では細胞質に散在する直径約1µmの粒子に蛍光が見られた。PtCslA1のN末端にYFPを配置した場合にゴルジ装置にYFPが局在するものと考えられる。YGとG-rkの両者を同時に導入した場合は細胞質に散在する直径約1µmの粒子に蛍光が見られたが、黄色のみ、赤色のみ、両蛍光の三種類の粒子が見られた。PtCSLA1およびGmManIの発現量がゴルジ装置ごとに異なる可能性が示唆された。動画観察では細胞膜近傍の粒子は動きが少ない一方、細胞中心部の細胞質では速く動く様子が観察された。 前述のベクターをアグロバクテリウム法によりポプラに導入し、形質転換ポプラを得た。葉を採取し、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。YG導入ポプラの葉肉細胞では葉緑体周辺に強い蛍光を示す直径約1μm程度の粒子が見られたが、YFP導入ポプラには見られなかった。これらの粒子は静止していた。YG導入ポプラの葉の下面の表皮細胞では強い蛍光を示す直径約1μm程度の粒子が見られ、粒子が移動していた。このことから細胞種によりゴルジ装置の挙動が異なることが示唆された。
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