2014 Fiscal Year Annual Research Report
樹木特有の新規環拡大反応であるトロポロン生合成機構の解明と応用
Project/Area Number |
24580248
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 弘毅 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90264100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 祐司 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30236921)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒノキチオール / トロポロン / テルピノレン / GCMS / P450 / ジオキシゲナーゼ / テルペン / Cupressus lusitanica |
Outline of Annual Research Achievements |
共役7員環構造を持つテルペノイドであるヒノキチオールの生合成過程・機構を追求してきた。1,6-epoxy-4(8)-p-menthen-2-ol(EMO)が細胞培養中に発見され、これがP450による酸化代謝物であることは粗酵素反応実験から明らかにしていたが、これに加えてd6ラベル化テルピノレン投与実験を行ったところラベル化EMOが検出されたことから、概ねP450による代謝経路を予想し、EMOのエポキシの酸化的解裂によるトリオールの生成、そしてトリオールのなかでジオール構造部分がさらにP450による酸化解裂を受けた開環反応と再閉環反応による7員環構造生成を前提に中間代謝物の探索を行った。d6テルピノレンの投与後、GCMSに現れたピークを網羅的に解析し、いくつかの特徴的なピークを発見した。内一つの予想分子量は170であり、上述のP450による酸化経路では関連が不明のものだった。 そのため、P450以外の経路予想を行い、ジオキシゲナーゼによる酵素外中間体を経ない7員環生成経路の可能性があることを発見した。新経路では比較的酸素添加度が低い中間体が予想されたことから、GCMS上に当該中間体が存在する可能性が高いと考え、再度網羅的なピーク探索を行い、候補物質を探索している。 平行して、テルピノレンからのP450による酸化生成物の立体異性に関する検討を行い、厳密な立体制御の存在を示したが、生理学的・代謝的意味は不明である。
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