2013 Fiscal Year Research-status Report
パルス波と高周波を用いた新しい桟積み製材の個別含水率検出手法の開発
Project/Area Number |
24580250
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
鈴木 養樹 独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 室長 (90353739)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 功 独立行政法人森林総合研究所, 加工技術研究領域, 室長 (30353684)
池田 潔彦 静岡県農林技術研究所, 木材林産科, 科長 (40502571)
|
Keywords | インピーダンス / 乾燥 / 桟積み / 製材品 / 非破壊的評価 |
Research Abstract |
スギ製材品個々の乾燥効率を向上させるためには、乾燥途中でも含水率を非破壊的に評価出来る手法が必要である。そこで、桟積みしたまま製材品個々の含水率を運転中の乾燥機内で評価出来ることを目指した。現在、簡便に乾燥機内で測定できる手法は電気的手法である。桟木を電極として活用し、そのインピーダンスの特性変化から含水率を推定する手法を提案した。ここで、インピーダンスとは交流の電気抵抗と電気が伝わる時間を表す物理量である。乾燥実機を用い、1段に5本ずつ並べ、6段まで桟積みしたスギ製材30本について乾燥過程でのインピーダンス測定を行った。測定条件は周波数が100Hzから1MHzの範囲で50ポイント、電圧レベルは5Vであった。桟木電極でのインピーダンス測定手法は、2本の電極で挟まれた製材品5本について見かけのインピーダンス周波数特性から1本ごとの水分量を分離計算する方法である。ところが、特定の位置にある製材品の水分量について評価するためには、ある程度の時間が必要であった。そこで、その問題を解決するために、ある特定の周波数の電磁波を電極間に伝送させて評価する方法、パルス波を使う方法について検討した。含水率100%以上と含水率20%程度に調整した製材をそれぞれ5本用意し、それらの内5本を組み合わせて計測時間の短縮を試みた。2本の桟木電極で製材を挟んでパルス波と呼ばれる時間方形波を加え、応答波形と製材の水分量との関係を求めた。その結果、特定の周波数である数100MHzの電磁波の減衰量および伝達遅れの時間は製材含水率と高い相関関係があり、短時間での計測評価可能であることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高周波インピーダンス法による含水率推定方法について、自動計測化および個々の製材品の含水率推定が可能であることを確認した。パルス波による測定評価方法について新たな電極を作製して、パルス波を水分量の異なる製材に加え、その応答波形と水分量との関係に高い相関があることを確認した。さらに100℃の温度に設定した乾燥機内で計測を行い、測定可能であることを確認した。
|
Strategy for Future Research Activity |
乾燥機内に試作したパルス波用電極を設置して、製材の乾燥過程での波形を自動収集する。観測した信号と乾燥状態との関係を求め、乾燥によって生じた製材のねじれや製材内部の水分傾斜との関係を明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
継続的にデータ整理を行う必要があり、当初人件費として計上した。 データ整理作業者への謝金として使用する。
|