2012 Fiscal Year Research-status Report
荷重レベルの違いがフィンガージョイントの損傷および強度に与える影響
Project/Area Number |
24580253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
平松 靖 独立行政法人森林総合研究所, 複合材料研究領域, 主任研究員 (80353829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇京 斉一郎 独立行政法人森林総合研究所, 構造利用研究領域, 主任研究員 (70455260)
宮武 敦 独立行政法人森林総合研究所, 複合材料研究領域, チーム長 (20353873)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フィンガージョイント / 保証荷重 / アコースティックエミッション / デジタル画像相関法 |
Research Abstract |
木材の接着接合であるフィンガージョイント(FJ)は構造用集成材用ラミナや枠組壁工法用構造用たて継ぎ材に用いられている。それらの強度は一定レベルの負荷をかける荷重試験により保証されているが、負荷時の損傷については十分な検討がなされていない。 今年度は、FJ材への負荷がFJ部の損傷や強度に与える影響を明らかにすることを目的として、FJ材の強度分布、単調荷重時に発生するアコースティックエミッション(AE)の発生挙動を調べた。FJ材を構成するひき板の強度特性分布については、スギ、ヒノキ、エゾマツひき板の同一材内の材長方向でのヤング係数の差は1.6~3.1GPaであること、機械等級区分された材では低強度等級の材のほうが同一材内でのヤング係数の差が大きい傾向にあることがわかった。集成材の日本農林規格におけるL50相当およびL80相当のスギFJ材を作製し、引張強度試験を行った結果、L50相当の場合、同一のFJ材から採取した引張試験体のヤング係数の差は0.5~2.2GPa、引張強度の差は4.9~11.2MPa、L80相当の場合、それぞれ0.6~1.4GPa、2.1~2.8MPaで、低強度等級のFJ材のほうが材内での強度性能の差が大きい傾向が見られた。 各引張試験体の荷重時の損傷を明らかにするために、AE発生源の特定とデジタル画像相関法によるひずみ分布解析を行った結果、AEの発生源および引張ひずみはFJ部に集中し、損傷がFJ部で生じていることがわかった。AEの発生挙動については、破壊荷重に近づくにつれて発生回数が急増すること、L80相当のFJ材のほうが発生回数が多い傾向にあること、材によっては低い荷重でAEが発生するものもあることが明らかになった。 次年度は、ある一定レベルの荷重をFJ材に負荷し、除荷後、再度引張強度試験を実施し、その際のFJの損傷をAEやデジタル画像相関法を用いて解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヤング係数の異なるフィンガージョイント(FJ)材の単調引張荷重時の強度分布、アコースティックエミッション(AE)の発生位置、荷重とAE発生頻度の関係、及びひずみ分布を明らかにすることができ、今年度の計画はおおむ達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進展しているので、研究実施計画に従って研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、研究費は使用計画に従って使用した。フィンガー加工用刃物が予定価格よりも低額で購入できたこと、AEセンサの故障がなかったことにより、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は翌年度以降の研究費とあわせて、当初の使用計画のとおり、原材料費、AEセンサ、ひずみゲージ等の消耗品に使用するほか、試験体の作製、強度試験の作業量が多いことから、実験補助の人件費に重点的に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)