2013 Fiscal Year Research-status Report
荷重レベルの違いがフィンガージョイントの損傷および強度に与える影響
Project/Area Number |
24580253
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
平松 靖 独立行政法人森林総合研究所, 複合材料研究領域, 室長 (80353829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇京 斉一郎 独立行政法人森林総合研究所, 構造利用研究領域, 主任研究員 (70455260)
宮武 敦 独立行政法人森林総合研究所, 複合材料研究領域, チーム長 (20353873)
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Keywords | フィンガージョイント / 保証荷重 / アコースティックエミッション / デジタル画像相関法 |
Research Abstract |
木材の接着接合であるフィンガージョイント(FJ)は構造用集成材用ラミナや枠組壁工法用構造用たて継ぎ材に用いられている。それらの強度は一定レベルの負荷をかける荷重試験により保証されているが、負荷時の損傷については十分な検討がなされていない。 今年度は、FJ材への負荷がFJ部の損傷や強度に与える影響を明らかにすることを目的として、FJ小試験体の材質、強度、FJ部のひずみ分布(変形の分布)を調べるのに加えて、負荷レベルを設定するために、FJ実大試験体との強度を比較検討した。 FJ小試験体の材質、強度については、集成材の日本農林規格におけるL50相当およびL80相当のスギFJ小試験体(以下、L50、L80)(断面寸法:幅16×厚さ27mm)を作製し、引張り強度試験を行った結果、L50では密度、平均年輪幅、引張り強さ、破壊時のひずみの平均値はそれぞれ374kg/m3、3.62mm、27.7MPa、0.0055であり、L80では407kg/m3、2.98mm、35.9MPa、0.0043であった。ひずみの分布については、デジタル画像相関法を用いて、荷重時のFJ部のひずみ分布を解析した結果、変形がフィンガージョイントした材の一方に偏って進行する様子が観察された。また、局所的な分布をみると、引張ひずみはFJの底部に集中しており、その位置もFJ部内でばらつく様子が観察された。FJ実大試験体(断面寸法:幅120×厚さ27mm)と小試験体の強度の比較については、FJ小試験体の引張り強さのFJ実大材に対する比は、L50では1.5、L80では1.3であり、負荷レベルの設定において、強度に対する寸法の効果を考慮する必要があることが明らかになった。 次年度は、ある一定レベルの荷重をFJ材に負荷し、除荷後、長期引張り荷重試験を実施し、負荷レベルの強度への影響を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FJ材に負荷する荷重レベルの設定において、寸法効果による小試験体と実大試験体との引張り強度の差を明らかにする必要が生じたため、追加試験を行い解析を行うのに時間を要したため、達成度はやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
小試験体と実大試験体の寸法効果による引張り強度の差を明らかにし、荷重レベルの設定も可能になったので、研究推進を加速して年度計画どおり進捗が可能であると見込んでいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度に購入したひき板をフィンガージョイントする際に加工の効率化を図ったので、今年度新たに原材料を購入する必要がなかったことから、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は翌年度の研究費とあわせて、当所の使用計画のとおり原材料費、ひずみゲージ等の消耗品に使用するほか、実験補助、論文投稿料に使用する計画である。
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