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2012 Fiscal Year Research-status Report

日照時間の経年変化が海藻群落へ及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 24580261
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTokyo University of Marine Science and Technology

Principal Investigator

荒川 久幸  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (40242325)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小橋 史明  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (80377077)
鈴木 秀和  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (90432062)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords日照時間 / 海藻群落 / 日本沿岸 / 海中照度 / 日射量
Research Abstract

本研究は、(1)日照時間の変動が海中に到達する光エネルギーの量にどのように影響しているか、(2)またそれが海藻群落にどのような影響を与えているかを全国の長期的なデータを基に解析を行い明らかにすることを目的としている。日本沿岸各地の日照時間および日射量の経年変化から海中での日射量の変化を求め、近年資源減少の著しいテングサ群落への影響について検討した。本年度の実績概要は以下のとおりである。
(1)に関して、全国各地の日照時間および日射量の資料は、気象庁データベースを使用した。その結果、全国平均は、50年間で約100時間の減少を示した。日本海、沖縄、伊豆諸島で減少が大きく、変化の大きいところは、島根で-394時間(-18%)、佐賀で+60時間(+3%)であった。 伊豆諸島は、三宅島で-198時間(-10%)、八丈島で-288時間(-16%)の変化であった。
(2)に関して、日本の沿岸海域で海水の光学的性質を調べた。三宅島、千葉県館山の各沿岸において海中照度の測定を行った。海中照度測定は、水中分光照度計PRR-600(Biospherical Instruments社、USA)を使用して、下方向放射照度および光合成有効放射PARを測定した。さらに海藻群落として三宅島のテングサ生息域を選定し、スクーバ潜水を行い、テングサ生息分布の目視観測を行った。
三宅島における光合成有効放射の消散係数は水深3mで0.120/m、海底付近で0.107/m(10m)である。また三宅島でスクーバ潜水による目視観測を行った結果、テングサの生息水深は15.8m~21.3mであり、一番繁茂していた水深は20mであった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、(1)日照時間が経年的にどのくらいあるのか?(2)その変化が海藻群落にどの様な影響を及ぼすのか?を明らかにすることを目的としている。
(1)に関しては、気象庁の実測データおよびリモートセンシングの公開データから日本沿岸の日照時間の変化を検討している。現在のところ、気象庁実測データの解析はぼぼ終了した。リモートセンシング公開データによる雲量と日照時間の関係の解析は進めている途中である。
(2)に関しては、各沿岸域の海水の光学的性質、テングサ群落の形成水深について調査し、これらの結果から、テングサ群落への日照時間の変化の影響を検討する。
現在のところ、テングサ群落の形成海域として、三宅島および千葉県館山で海水の光学的性質および群落の水深を調査した。テングサ群落への日照の影響の検討は今後進める予定である。

Strategy for Future Research Activity

(1)に関しては、リモートセンシング公開データのさらなる解析により、日本沿岸の日照時間の変化の詳細な検討を進める。日照時間については減少傾向にあるとの結果であったが、調査対象期間内において計測機器の交換などがあり、さらに詳細な検討が不可欠である。日照時間をもとに全天日射量の経年変化について検討する。日射量は直達日射および散乱日射に分離して算出する。
(2)に関しては、各沿岸域の海水の光学的性質データを他の地点においても収集する。対象海域は、現在までのデータ解析で日照時間の変化が著しい場所と判明した、東北地方、日本海沿岸、南西諸島および伊豆諸島を検討する。また直接観測によってデータ取得できない海域については、海中光算出アプリケーションHidrolight Ecolight ver.5を利用して求める。さらに海中の各水深における放射光量は計算により求める予定である。同時に海中照度計を現場海域に設置して実測を行い、計算値の補正データを取得予定である。当初予定では、海中照度計の現場設置は平成24年度に行う予定であったが、設置場所の選定に難航したため、平成25年度に行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度の研究費の主な使用計画は以下のとおりである。
①各海域の光学的性質の調査旅費(宮城、新潟、沖縄、伊豆(八丈島、三宅島)):本調査旅費は日照の変化の大きな海域であり、海藻群落への影響が顕著に表れている可能性が高い。
②設置用海中照度計(海藻群落の照度計測に必要:当初平成24年度購入予定):本装置の導入により海藻群落の海中照度の長期間の変化を把握でき、計算値の精度や補正に不可欠である。設置場所は、装置のメンテナンスを考慮して千葉県館山地先とする。
③海藻の光合成活性計測装置(テングサの光合成活性と照度との関係の検討):当初計画に反映されていなかったが、海中の照度分布によって海藻の活性にどのくらい相違が生まれるのか検討するために不可欠。
④そのほか実験に必要な消耗品。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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