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2013 Fiscal Year Research-status Report

循環型生物資源利用の立場から見たカツオ節加工残滓の利用に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24580263
Research InstitutionTokyo University of Marine Science and Technology

Principal Investigator

任 惠峰  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (00345406)

Keywordsカツオ節 / カツオ節加工残滓 / 酵素分解 / 酸加水分解 / アミノ酸 / ペプチド / 抗酸化性 / 抗変異原性
Research Abstract

本年度は、まず昨年等同様に、カツオ節の加工残滓を複数種類のプロテアーゼー系酵素で処理した。加工残滓に粗タンパク質の1%~4%に相当する酵素を加え、 3~18時間で酵素分解を行った。試料を遠心分離して得られた上澄み液(酵素分解液と略称)を分析試料とした。低分子ペプチド群(300~3500)の分布はHPLC法、抗酸化性はDPPHラジカル消去法(DPPHラジカル抑制力)および極微弱法XYZ法(H2O2消去能力)、抗変異原性はumuテスト法を用いた。これら分析結果から、供試試料の機能性成分の変化に及ぼす酵素添加量ならびに処理時間の影響を検討した。続いて、同じカツオ節の加工残滓を異なる酸加水分解条件(塩酸濃度、分解時間、分解温度)で処理した。得られた酸加水分解液から酸を除去し、適宜に希釈した溶液(酸加水分解液と略称)を分析試料とした。18種アミノ酸含有量をHPLC法で測定し、18種アミノ酸の回収率に及ぼす酸加水分解条件の影響を検討した。
① 酵素分解試液に含まれるペプチドの分子量を300以下、300-1000、1000-3500の三つのグループに分けてみると、いずれも酵素添加量および処理時間の増加につれて含有量も高くなる傾向が見られた。プロテアックスの分解液に300-1000のペプチドの占める割合がもっとも高かった。
② 極微弱法XYZ法では6-37units/酵素分解液100mL、DPPHラジカル消去法では5-59%のDPPHラジカル捕捉活性(0.3-1.6Trolox(mmol/ L))が検出されたが、いずれもプロテアックスの分解液の抗酸化力がもっとも強かった。
③ 複数の供試試料から抗変異原性が検出された。
④ 酸加水分解試料から1.5~42g/100gの18種全アミノ酸が検出され、酸加水分解条件が強くなるに伴って18種アミノ酸含有量の増加傾向が見られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

二年目では初年度の研究結果を踏まえ、主に以下の二つの研究内容を実施した。まず、カツオ節の加工残滓から栄養性・呈味性・機能性成分の抽出率および生理活性に及ぼす酵素分解処理条件の影響を検討した。続いて、同じカツオ節の加工残滓を異なる酸加水分解条件で処理し、カツオ節の加工残滓からの栄養性・呈味性・機能性成分の抽出率に及ぼす酸加水分解処理条件の影響を追究した。
これまでほぼ当初の計画の通りに、酵素分解液中の低分子ペプチド配分を分析し、更に2種の活性酸素を対象とする抗酸化性の測定を完了した。得られた成果を平成26年度春季水産大会で発表した。
また、カツオ節の加工残滓を異なる酸加水分解条件で処理した。18種全アミノ酸含有量の測定もほぼ完了し、データ解析中であるが、その結果を平成26年度秋季水産大会で発表する予定である。また、これまで得られた抗変異原性分結果を日本環境変異原学会第43回大会で発表する予定である。

Strategy for Future Research Activity

本年度は昨年度の研究結果を踏まえ、主に以下の研究内容を実施する予定である。
1)異なる条件で分解した酸加水分解試料について、低分子ペプチドの分布状況を分析し、タンパク質の分解率に及ぼす酸加水分解条件の影響を分析する。分析手法は昨年度と同じである。
2)異なる条件で分解した酸加水分解試料について、2種の活性酸素を対象とする抗酸化性を測定する。測定条件は昨年度と同じ、DPPHラジカル消去法(DPPHラジカル抑制力)および極微弱法XYZ法(H2O2消去能力)を用いる。
3)異なる条件で分解した酸加水分解試料について、抗変異原性および変異原性を測定し、これら活性の消長に及ぼす酸加水分解条件の影響を解析する。酵素分解試料の分析と同じ、umuテスト方法を用いる。
4)これまで得られた酵素分解の実験結果および酸加水分解の実験結果を纏め、現在飼料・肥料の利用に留まっているカツオ節加工残滓の付加価値を高めるための、最も安全かつ確実に利用できる処理条件を考察する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

試薬あるいは部品を購入できない金額になってしまい、来年度の助成金と合わせて利用する。
異なる条件で分解した酸加水分解試料の機能性を分析する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] カツオ節加工残滓の高付加価値化に関する研究-IV

    • Author(s)
      陳 玲玉・山内 史明・志方 昌美・岡田 美緒・日比 香子・
    • Organizer
      平成 26年度日本水産学会春季大会
    • Place of Presentation
      北海道大学函館キャンパス

URL: 

Published: 2015-05-28  

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