2012 Fiscal Year Research-status Report
魚類内臓感覚神経回路の解明と摂食制御ペプチドニューロンとの連関
Project/Area Number |
24580264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 直之 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (80256974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 正美 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (00182832)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 魚類 / 内臓感覚 / 神経回路 |
Research Abstract |
本年度は、キンギョの1次内臓感覚核の線維連絡の調査がほぼ終了し、2次内臓感覚核の線維連絡を引き続き調査継続している状態である。一次感覚核の結果については、学術雑誌への投稿論文の作成を開始した。これらの成果の一部は、学会において報告した。 ティラピアの間脳の内臓感覚核の連絡は実験がほぼ終了し、やはり学術雑誌への投稿論文の作成を開始した。この成果についても、学会において発表した。魚類の内臓感覚系に関する知見を整理した総説を出版した。執筆した教科書や本の章にも魚類の内臓感覚神経系に関する知見を紹介した。 内臓感覚上行路と視床下部の摂食制御関ぺプチドニューロンとの形態学的連関の調査については、文献的調査は終わり、二重標識実験を行った。しかしながら、いまのところ狙った結果は得られていない。使用した抗体の結合が弱いためと判断された。 キンギョ脳の連続切片を全て観察し、同定できる神経核は全てピックアップした。その後、学術雑誌への投稿に向けて写真や線画の作成を実施中である。脳アトラスに関連する成果についても、学会で報告した。今回、神経回路に関する知見がキンギョにおいてもっとも豊富であるため、脳アトラス作成の最初の対象とした。しかしながら、水産学的に重要な種を含む、ほとんどの魚種について脳アトラスは存在しない。実際、他の水産学研究者から脳アトラス作成の依頼を多数受けている。そのため、今年度はいくつかの他魚種の切片作成にも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電気生理学的な研究の装置の準備/整備が進んでいないこと、好適な抗体がないため二重標識実験が実施できないこと、の2点において予定よりも若干遅れている。しかしながら他の目的については、順調に進んでおり、学会発表を行っただけでなく、3つの投稿論文を準備している点に関しては、予定どおりあるいは当初計画よりも進んでいる状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在順調に進んでいる内容を重視して、それを特に進めることを考えている.すなわち神経回路の調査をさらに進める。現在執筆中の論文を投稿すれば、また実験に集中できるようになるのでさらに進展することが予想される。抗体については、新たなものが入手できる見込みがあり、それを試してみて、好適な結果が得られれば、それを使用して二重標識実験を実施する。電気生理実験については、予想していたよりも準備に時間がかかることがわかったので、今年度は系の立ち上げの下準備を目標とする。また今年度の調査によって、魚類の内臓感覚神経系のあらましがわかったので、時間的余裕がある時期に今後の発展の土台となるよう他の魚種についても基礎的な調査を実施することを計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電気生理学の立ち上げが可能となった場合、関連物品の購入を行う可能性がある。それ以外については、当初予定していた、神経回路の調査に必要な試薬やその他消耗品が中心となる。
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Research Products
(9 results)