2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24580265
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
前川 行幸 三重大学, 生物資源学研究科, 特任教授(継続雇用) (90115733)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コアマモ / 室内培養 / 光合成産物 / デンプン / スクロース / 繁殖戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
コアマモの室内培養実験を通じて、コアマモ場造成の基礎となるコアマモの生長と繁殖戦略の解明を行った。コアマモの培養は60×30×36 cmの65L水槽を用いて行った。水槽内に35×25×5 cmバットを設置し,コアマモの生育場所から採取した砂泥を入れ,天然から採集したコアマモを20株程度植え込んだ。水深は20 cmとした。水温は10,15,20,25℃とした。光条件は水面で220μmol photons m-2 s-1,12L:12Dとした。コアマモの地下茎より上の部分を地上部,地下茎以下の部分を地下部とした。地上部のうち株を新しい順に株1,株2,株3…とした。地下部のうち地下茎の節間を新しい順に節間1,節間2,節間3…とした。各部位のスクロース,デンプン量についてHPLCを用いて分析した。 培養実験の結果、スクロースは株や節間の新しさによらずほぼ一定量含まれ,地上部よりも地下部に多く含まれており,地上部と地下部では共に低温条件でより多く含まれていた。デンプンは地上部にはほとんど含まれていなかったが,地下部では古い節間ほど多く含まれており,低温条件(10,15℃)よりも高温条件(20,25℃)でより多く含まれていた。低温条件ではデンプンの貯蔵よりも草体の生存を優先するため、デンプンが分解されスクロースが多く含まれると考えられた。また,スクロース濃度を高めていることから耐凍性を高めていると考えられた。高温条件ではデンプンの貯蔵が優先され,地下茎の分枝や生殖株形成のエネルギー源としてデンプンが蓄えられると考えられた。本研究からコアマモの地下茎による繁殖戦略を明らかにすることができた。
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Research Products
(1 results)