2015 Fiscal Year Annual Research Report
カレイ類に起こる形態異常の本質的理解と、二次黒化の根本的防除法の開発
Project/Area Number |
24580266
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田川 正朋 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20226947)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 形態異常 / カレイ類 / 着色型黒化 / コルチゾル |
Outline of Annual Research Achievements |
カレイ類の種苗生産では、体色や形態の異常個体が多い時には80%以上も出現し、本分類群の栽培漁業を推進する上で最大の障害となっている。我々はこれまでカレイ類の変態の仕組みを個体レベルで明らかにしようと試みてきた。また、変態後におこる無眼側黒化は防除が困難とされる。本年度は、体色や形態異常および二次黒化についての本質解明と根本的な防除をめざし研究を行ってきた。 本課題はH27年度で終了する予定であったが、利用を予定していた京都大学放射性同位元素総合研究センター分館が耐震補強工事に入ってしまった。そのため、H28年度までに期間を延長したものである。本年度は、ストレス応答ホルモンであるコルチゾルについて、ラジオイムノアッセイによる測定系の再立ち上げを行った。また、測定の延期によって血液サンプルの劣化のおそれがあったため、一部のヒラメについての実験では再実験を行い、新鮮なサンプルを取り直した。 ヒラメ血液サンプルでは標準曲線と平行な希釈曲線が得られ、血液中コルチゾル濃度の測定は可能と判断できた。そこで、この測定系を用いて、コルチゾル投与をおこなったヒラメ血液サンプルのコルチゾル濃度の測定を試みた。しかし、対照群、コルチゾル投与を行った群、ともに測定値に一貫した傾向が見られず、意味のある結果が得られなかった。サンプリング時刻の影響を受けてしまっている可能性、用いた抗体がコルチゾルの代謝経路にある前駆ステロイドと交叉してしまっている可能性等が考えられる。研究期間を延長してホルモン濃度の検討を試みたが、残念ながら今年度はコルチゾルのラジオイムノアッセイによって、信頼性のある測定結果を得ることができなかった。
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