2013 Fiscal Year Research-status Report
培養カイアシ類を使った海産種仔稚魚の飼育モデル確立
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24580275
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小谷 知也 鹿児島大学, 水産学部, 准教授 (30389069)
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Keywords | カイアシ類 / Pseudodiaptomus marinus / 大量培養 / 微細藻類 / 摂餌選択性 / ワムシ |
Research Abstract |
当初研究計画どおり、培養カイアシ類の仔魚への給餌試験を実施した。ただし、予定していたTemora turbiniataが死滅したため、新たに奄美大島で採取したPseudodiaptomus marinusの大量培養試験を実施した後、仔魚飼育試験を実施した。また、昨年度実施したワムシ化学組成の分析に基づいて、仔魚飼育を実施し、従来法で栄養強化したワムシを用いた仔魚の飼育成績と比較した。 【カイアシ類大量培養試験(再試験)】 前年度の試験結果に基づき、Isochrysis sp. タヒチ株とPhaeoductylum tricornutumの混合給餌を行った。しかし培養不調に陥ったため、上記2種にPavlova lutheriを加えた3種混合給餌を実施した。その結果、5L規模の培養では2ヶ月間、2~5個体/mLの密度を維持することが可能であった。また、培養規模を拡大し、30L規模で培養を行った結果、1ヶ月間、1~2個体/mLで培養することが可能であった。 【ヒラメ仔魚への給餌試験】 上記大量培養で生産個体数が十分ではなかったため、ワムシとの混合給餌を行い、ヒラメ仔魚の選択摂餌性について検討する試験を実施した。その結果、ヒラメ仔魚がワムシおよびカイアシ類を摂餌していなかったため、仔魚の飼育条件および魚種などを変更して、再試験を行うことが必要であると判断した。 【極性脂質を強化したワムシ給餌による仔魚飼育】昨年度検討したワムシの栄養強化法を用いてマダイ仔魚の飼育試験を実施した。その結果極性脂質を強化したワムシの給餌により成長が改善した。これにより、カイアシ類給餌で成長が改善することが予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
保持していたカイアシ類の死滅に見舞われ、新しい種での検討を余儀なくされたが、大量培養が可能となり、仔魚飼育を行うことが出来た。前年度の試験結果を確認できた上、カイアシ類種によって条件が異なることが明らかに出来たことに大きな進展がある。しかし、当初予定していた、微細藻類の化学組成の検討が不十分であると同時に、仔魚飼育試験が不調に終わったことから、「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度大量培養が可能となったPseudodiaptomus marinusを用い、再度魚種を変えて給餌試験を実施する。前年度と同様に生産数が低調に終わることが考えられるため、摂餌選択性の試験を予定する。また、カイアシ類のみでの飼育が可能となるよう、引き続き大量培養試験も実施する。 一方、P. marinusを用いた、カイアシ類培養に適した微細藻類種の探索も引き続き行うと同時に、各微細藻類の化学組成について検討を行う。 前年度および前々年度で明らかになった培養条件を応用して、他のカイアシ類種の培養にも着手する。また、市販の天然由来冷凍カイアシ類の化学組成について検討を実施し、培養カイアシ類の結果と比較する。
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Research Products
(1 results)