2015 Fiscal Year Annual Research Report
野菜類の水銀吸収阻害効果を利用した養殖クロマグロ水銀レベルの低減化
Project/Area Number |
24580286
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
安藤 正史 近畿大学, 農学部, 教授 (80247965)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水銀 / 腸管 / 野菜 / マダイ |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】水銀吸収阻害効果のある野菜汁について,将来的な量産化を考慮し,凍結による阻害効果への影響を明らかにする。 【方法】有意な水銀吸収阻害効果を認めたシシトウ,ゴボウ,オオバを材料とした。各野菜をフードプロセッサーで摩砕後,遠心分離とフィルターろ過により野菜汁を得たのち,―35℃で1週間および1カ月間凍結保存した。各期間経過後に4℃下で解凍した後,試料液とした。試料液1に対して生理食塩水9を加え,さらにメチル水銀水溶液を加え,終濃度1ppm(水銀ベース)とした。これをマダイ活魚から取り出した腸管内に導入し,20℃における1時間後の水銀吸収率を測定し,水銀吸収阻害効果を評価した。 【結果】シシトウは阻害活性が凍結の影響を受けなかったが,オオバは1カ月,ゴボウは1週間の凍結で吸収阻害活性が消失した。次に,活性が消失した画分を凍結乾燥により10倍濃縮したところ,活性が復活した。以上の結果より,凍結状態において巨大分子化した活性成分がフィルターろ過によって除去されることが,活性の消失の原因のひとつと思われた。これを確かめるため,ろ過フィルターに付着した成分を集め,それを用いて実験したところ,阻害活性が認められた。よって,今回認められた阻害活性は水溶性食物繊維のような巨大分子が原因物質のひとつであることが示唆された。
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