2013 Fiscal Year Research-status Report
消化管ホルモン遺伝子の発現量を健康診断へ応用したサケ稚魚の抗病性向上技術の開発
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24580287
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
水野 伸也 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究員 (70442655)
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Keywords | シロザケ / コレシストキニン / グレリン |
Research Abstract |
平成25年度は、サケ稚魚の細菌性鰓病早期診断技術の開発と、この技術を用いたふ化場産稚魚の鰓病診断を行った。稚魚の脳コレストキニン遺伝子(CCK)の発現量は、体重1g以上、水温5~15℃、絶食72時間未満の時、稚魚の成長、飼育水温および絶食の影響を受けないことがわかった。この条件下で、稚魚の高密度飼育試験を行ったところ、飼育水立米当たり40kgの飼育密度により、稚魚に細菌性鰓病が発症した。この鰓病発症に至るまでに、稚魚の脳CCKの発現量は有意に増加し、発症後に低下した。一方、飼育水立米当たり10kgの低密度では、この発現量が0.02~0.04(比較相対値)の間で比較的安定した値を示した。以上の結果から、脳CCK発現量の値を指標として、サケ稚魚の鰓病発症を予兆できる可能性が示された。 北海道内10箇所のふ化場で飼育されている稚魚の脳CCK発現量を調査した結果、それらの値は0.027~0.040を示した。脳CCK発現量の基準値を、前述の低密度飼育された稚魚の値(0.02~0.04)と仮定すると、各ふ化場の稚魚は全て健康だと推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度計画どおり順調に研究が進展しており、当初の研究目的を全て達成できると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画どおりの進捗が見込まれるため、計画変更を行わず、研究遂行上の課題も存在しない。
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Research Products
(5 results)