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2012 Fiscal Year Research-status Report

二枚貝における未受精卵成熟調整因子の探索とその応用

Research Project

Project/Area Number 24580296
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

永沼 孝子  東北大学, 生命科学研究科, 助教 (50250733)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小川 智久  東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (80240901)
村本 光二  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90157800)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords生殖 / タンパク質 / 卵母細胞
Research Abstract

これまでに精製されたマベガイレクチン(PPL-1)については、精製タンパク質を抗原として抗体精製を試みたが、cross reaction が認められ、信頼性の高い結果が得にくかった。今回ペプチド配列を基にして検討した結果、特異性の高いポリクローナル抗体を得ることができた。また2013年1月にあらたに奄美大島から貝を入手し、現在各部位の組織切片を作製しているところであり、これらを用いてin situ hybridization を行う。
さらに、マベガイ外套膜のホモジネートおよび体液について2段階の精製を行うことによって、レクチン活性を有し且つ今後の検討を行うために充分な量を有する画分を複数得ることができた。このうち糖との結合特異性が明確な画分についてN末端側のアミノ酸配列を決定した結果、多くは既知のレクチンのイソフォームであると思われたが、新規のものも2種発見された。これらの性状について検討した結果、強い微生物の凝集能、即ち生体防御能を有していることが分かった。これらはグラム陰性菌の表面に存在する各種リポポリサッカライド(精製品)に対しても、類似したいくつかのタイプのものと強く結合することが分かった。これらのタンパク質は、外套膜組織における含量は少ないが、その活性は非常に明確かつ強力で、当該研究との関連において興味深いところであるため、詳細な検討を行う方針である。まず、この新規レクチンがマベガイの生殖線に存在するか否かを明らかにする目的で、ポリクローナル抗体を作製中である。
目的タンパク質発現の季節変動を調べる目的で、産卵期にあたる5月と、冬期(11月)において外套膜に発現しているタンパク質を二次元電気泳動によって比較した。その結果、5月期の泳動パターンには冬期には見られないタンパク質が発現していることが明らかになった。これらの同定を進める予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当該研究を推進するためには抗体が必須であるが、これまでに作製したものは特異性が低く、組織における発現を正確に特定することが困難であったため、進展が遅れた。そこで、得られたタンパク質のアミノ酸配列情報からペプチドの部分配列をもとにして抗体を作製した結果、特異性の高いものが得られたので問題は解決に向かっている。
さらに、より効率的に試料を確保するためにレクチン精製法の改良を試みたため、時間を要したこと、その結果新たな配列を持つ新規のタンパク質(レクチン)が得られ、部分配列の決定を行ったために、予定期間内で当初の目的まで達しなかった。

Strategy for Future Research Activity

第一に、予定より遅れている「目的タンパク質の組織発現」について明らかにする。また、平成24年に新たに単離されたタンパク質の一次構造を決定し、組織における発現部位について検討を進める。次に、産卵期において特異的に発現するタンパク質を同定し、その生理機能を追究する。
具体的には
①新たに得られた抗体とマベガイサンプルを用いて免疫組織化学的手法で目的タンパク質の発現組織を同定する。②サンプルの提供を受けている奄美サウスシー&マベパール(株)より季節ごとのサンプル提供の承諾が得られたので、これを用いて①の手法で発現の季節変動を追跡する。③平成24年度に確認された新規タンパク質のアミノ酸配列を決定し、相同性検索によって他の動物種における発現の有無を調べる。発現していれば生理機能を推し量ることができる。④卵成熟制御に関する新規タンパク質の探索を目的として、各季節のサンプルについて二次元電気泳動を行う。⑤卵成熟に関連するタンパク質が同定されたら、電気泳動後のゲルを切り出してアミノ酸配列分析およびマススペクトルメトリー、さらにDNA配列をもとにして目的タンパク質の一次構造を決定する。⑥目的タンパク質のノックダウン個体(幼生)を作成し、目的タンパク質の卵成熟制御作用機序について追究する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究推進に必要な設備・備品は大学(研究室)既存の物を使用できるので新規購入の必要はない。次年度は主に組織化学的研究を行う予定であり、そのための試薬、器具購入に費用を要する。また、構造解析のために必要な遺伝子実験関係の試薬、器具の購入を予定しており、物品費としてこれらに全体の予算の6割を充てる。また、大学所有共通機器(プロテインシークェンサー、TOF-MSなど)の使用料に全体の予算の2割を充てる。
その他、組織切片作成にあたっては技術を必要とするので専門技術を有する研究者に研究補助を依頼するため、研究補助費を、また成果発表および試料収集(奄美大島)のための旅費を計上する。
試料の入手については、マベガイは(株)奄美サウスシー&マベパールより無償で提供を受けることができるが、魚類の試料は購入する必要があるので試料代としての支出を予定している。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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