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2012 Fiscal Year Research-status Report

褐藻糖化海洋酵母の創出による効率的バイオエタノール生産

Research Project

Project/Area Number 24580299
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTokyo University of Marine Science and Technology

Principal Investigator

浦野 直人  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (90262336)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西沢 正文  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20218150)
石田 真巳  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (80223006)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsバイオエタノール / 褐藻 / エタノール発酵 / ラミナラナーゼ / フコイダナーゼ / 海洋低温菌 / 海洋酵母 / フコース
Research Abstract

本研究は褐藻の糖化酵素遺伝子を海洋酵母でクローニングし、組み換え酵母を用いて、褐藻原料からの効率的バイオエタノール生産を行うことを最終目的とする。平成24年度は、①褐藻ラミナランからのバイオエタノール生産を行うために、海洋低温菌由来ラミナラナーゼ酵素の精製、酵素遺伝子の大腸菌・酵母宿主でのクローニングと発現を試みた。②褐藻フコイダンからのバイオエタノール生産を行うために、海洋低温菌由来フコイダナーゼ酵素の精製を試みた。③フコイダンの分解単糖であるフコースは発酵性酵母の研究報告が無く、新奇発酵の単離を目標とした。
平成24年度の研究成果として、①相模湾表層から海洋低温菌をスクリーニングした。その中からラミナラン資化細菌としてPseudoalteromonas haloplannktis LA株を単離した。LA株から分泌型ラミナラナーゼ(45kDa)を精製した。本酵素のアミノ酸配列を決定した。本酵素のcDNA(2.5kbp)を合成して、PCR増幅してプラスミドに連結して、大腸菌宿主でクローニングした。組換え大腸菌の超音波破壊液を電気泳動したが、抽出液にラミナラナーゼ活性が無く、酵素タンパク質の存在も確認されなかった。
②千葉沿岸から海洋細菌2,111株を単離した。フコイダン資化活性を持つ細菌16株を選抜した。細菌の培養上層液と菌体抽出液にフコイダン分解活性が見出された。その中から高活性株としてF2, F3, F4, F10, F14の5株を選抜した。5株の遺伝子同定を行ったが、データにノイズが有り、単離菌となっていないことがわかった。共生細菌の可能性を示唆した。
③三陸沿岸から海洋酵母を単離した。その中からフコース資化・発酵酵母を単離した。現在解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

①ラミナラナーゼ資化細菌の単離、同定、ラミナラナーゼの精製(45kDa)、ラミナラナーゼのアミノ酸配列決定までは、24年度の前半までに順調に進展した。ところが、ラミナラナーゼのcDNAを合成し、ラミナラナーゼ構造遺伝子を大腸菌でクローニングしたところ、ラミナラナーゼ酵素タンパク質(45kDa)は電気泳動にて確認することができなかった。また大腸菌抽出液および培養上層液にラミナラナーゼ酵素活性を見出すことができなった。従って、現段階では海洋低温菌ラミナラナーゼ構造遺伝子の大腸菌宿主内での発現を確認できていないため、当該遺伝子の酵母宿主内でのクローニング実験も行っていない。詳しい原因は明らかではないが、酵素タンパク質が大腸菌内で正しくフォールディングできていない可能性が高いと考えられた。現在、cDNAの塩基配列の再チェック、より活性の高いプロモーターの接続などで対応を検討している。
②フコイダン資化活性を持つ細菌16株を選抜した。細菌の培養上層液と菌体抽出液にフコイダン分解活性が見出された。その中から高活性株としてF2, F3, F4, F10, F14の5株を選抜した。ところが、選抜5株の遺伝子同定を行ったところ、データにノイズが観察され、5株とも雑菌汚染の可能性が示唆された。5株はいずれも十分な単離操作を行っていたため、共生系など完全単離が困難な可能性も示唆された。そこで再度の単離操作を繰り返した結果、最終的に複数の菌種コロニーが単離された。そこで各コロニーのフコイダナーゼ活性を再測定している。
以上、24年度は①、②とも予想外の結果が出て、研究が遅延した。問題点を洗い出して対応している。

Strategy for Future Research Activity

本研究は褐藻多糖を単糖化する酵素系遺伝子を酵母宿主でクローニングして、多糖を並行複発酵(糖化同時発酵)する酵母を育種することを目的とする。平成25年度、26年度は、下記①、②、③の研究を行う。
①海洋低温菌Pseudoalteromonas haloplannktis LA株が持つ低温性ラミナラナーゼ(最適温度37℃)の遺伝子を大腸菌でクローニング・発現させる。次に当該遺伝子を酵母Pichiaおよび Saccharomyces cerevisiaeでクローニング・発現させ、ラミナランを並行複発酵可能な酵母を育種する。
②最適なフコイダナーゼを持つ海洋低温菌を選抜し、遺伝子同定を行う。分類同定ができた海洋低温菌が持つフコイダナーゼ酵素を精製し諸性状を解析する。酵素遺伝子を大腸菌および酵母でのクローニングと発現を行う。フコイダンを並行複発酵可能な酵母を育種する。
③ラミナランの糖化産物は主にグルコースであるため、酵母宿主として、海洋由来Saccharomyces cerevisiaeが使用可能である。一方、フコイダンの糖化産物は主にフコースであるため、一般的な酵母が糖化産物を発酵することができない。そこでフコースを発酵できる新奇酵母単離している。それらの中からフコースを高発酵する酵母株を選抜する。当該酵母株の遺伝子同定を行い。宿主とするための適正を検定する。
以上、①、②、③の研究をインテグレーションして、褐藻多糖を効率的に並行複発酵する酵母を育種する

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額(B-A)=399,060円に関しては、浦野直人(海洋大学)がやや遅延している研究に関して使用する。
具体的には、①海洋低温菌ラミナラナーゼ遺伝子の大腸菌および酵母宿主へのクローニングと発現に関する実験。②フコイダナーゼ活性を持つ海洋低温菌の遺伝子同定、フコイダナーゼ酵素の精製に関する実験、に使用する。
西沢正文(慶應大学)の使用額300,000万円は海洋低温菌のラミナラナーゼおよびフコイダナーゼ遺伝子の詳細解析に関する実験に使用する。
石田真巳(海洋大学)の使用額199,666円は海洋低温菌のフコイダナーゼ酵素の精製と基礎性状解析の実験に使用する。
浦野直人(海洋大学)の使用全額1,201,274円は①、②、③の統括的な研究推進とインテグレーションによる褐藻高発酵酵母の育種実験に使用する。

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Published: 2014-07-24  

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