• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

組換えタンパク質を用いたカロテノプロテインの色彩多様性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24580302
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

足立 亨介  高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (00399114)

Keywords甲殻類 / 色彩 / クラスタシアニン / 組み換えタンパク質 / アスタキサンチン
Research Abstract

甲殻類は緑青色から赤橙色まで様々な体色を呈するが、これは外骨格中に含まれるクラスタシアニン(CRCN)と呼ばれる色素タンパク質によるものである。本タンパク質はCRCN-A、およびCRCN-Cと呼ばれる2種類のサブユニットが2分子のカロテノイドと非共有結合した基本構造を有し、加熱するとタンパク質の変性により放出されたカロテノイド本来の色が呈される。報告者は報告されてきたタンパク質に結合するカロテノイドがアスタキサンチンのみであることに着目し(それ故甲殻類はゆでると皆赤くなる)CRCNの色彩多様性が色素部分のAsxではなく、アポタンパク質側の構造に依存したものであると推察している。それ故、CRCNを組み替え体として発現させ、Asxとして再結合させる系を確立できれば、アポタンパク質側に点変異を起こすことで多様なCRCNを人為的に作り出すことができると考えられる。このような背景のもと昨年度までに我々はクルマエビを用いてCRCN-A、およびCRCN-Cの大腸菌による組み換えタンパク質の作出に成功している。しかしながら、これらを用いたカロテノイドとの再構成には至っていない。
ヨーロピアンロブスターCRCN-A、およびCRCN-Cには過去にタンパク質の電気泳動によって各々3種のパラログの存在が知られている。また、同種では基本構造を形成する上で組み合わせに特異性があることも知られているものの、そもそもすべての甲殻類において両サブユニットで何種類のパラログが存在するかさえ明らかになっていない。今年度はCRCN組み替えた体とAsxの再構成条件を検討する過程で、このCRCNパラログの種類数に関し本研究推進にあたり重要かつ新規な情報を得たので、そちらに重点をおいた考察を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

PCRによりCRCN-Cと推察される配列が45クローン得られた。このうち4種8クローンが同一配列で合計41種類のcDNA配列が得られ、34種が予想される全長を含み、Splicing variantと推察される配列が2種類、1塩基のみ欠失している配列が5種類確認された。全長を含む複数のパラログ遺伝子は同義置換を起こしており、翻訳すると合計23種類のアミノ酸配列が得られた。ヨーロッパロブスターで確認されている同分子のAsx結合部位 (TyrおよびHis)は全長を含む全てのパラログ遺伝子に保存されていた。以上からクルマエビCRCN-C パラログ遺伝子が想定よりはるかに数多く存在することが示唆された。CRCN-Aにおいても同様の結果が期待されるが現在詳細は解析中である。
予定では再構成実験は24年度に完成している予定であり現状では研究の遂行は遅れているといわざるを得ないが、上記の事柄は他種生物でも報告例のない内容である。さらに再構成条件を検討する上で必須の事実でもある。

Strategy for Future Research Activity

CRCNパラログ遺伝子の多様性に関しては次世代型シークエンサーを用いて解析する。また、組み換えタンパク質の再構成実験については、すでに確立した系への点変異の導入を行うとともにBiacoaを用い、Asxと組み換えタンパク質の実際の相互作用という観点からも考察する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度は配列解析が中心となりPCR、DNAシークエンシングといった一般的な実験に必要な試薬の購入のみにとどまっている。最終年度はNGSやbiacoaといったより高額な試薬を必要とする実験を予定している。
クルマエビ外骨格で発現するmRNAをNGSによって解析することによりCRCNサブユニットの多様性を解析する。Biacoaを用いて組み換えCRCNとAsxの相互作用を解析する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] Molecular cloning and expression profiling of procollagen α1 (I) in cultured Pacific bluefin tuna2014

    • Author(s)
      Teruyoshi Tanaka, Kenji Takahashi, Kohsuke Adachi, Haruki Ohta,Yukihiro Yoshimura, Yasuo Agawa, Yoshifumi Sawada, Osamu Takaoka, Amal Kumar Biswas, Kenji Takii, Nobuhiro Zaima, Tatsuya Moriyama, Yukio Kawamura
    • Journal Title

      Fisheries Sci

      Volume: 印刷中 Pages: 印刷中

    • DOI

      DOI 10.1007/s12562-014-0737-7

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] マダイにおけるProlyl 4-Hydroxylase遺伝子のcDNA部分配列、組織分布および季節変動2013

    • Author(s)
      石川英利佳・足立亨介・森岡克司 (高知大農)
    • Organizer
      日本水産学会 平成25年度中国・四国支部例会
    • Place of Presentation
      宇和島市総合福祉センター
    • Year and Date
      20131116-20131117
  • [Presentation] 養殖マダイの品質に対する直七果汁添加飼料の効果2013

    • Author(s)
      森岡克司・釘嶋宏幸・中之前美沙・足立亨介・深田陽久(高知大農)・宮崎泰幸・三浦和希(水大校)・渡辺貢(高知水試)
    • Organizer
      平成25年度日本水産学会秋季大会
    • Place of Presentation
      三重大学
    • Year and Date
      20130919-20130922
  • [Presentation] 養殖ブリの肉質に及ぼすユズ果皮ペーストの添加量及び給餌回数の影響2013

    • Author(s)
      中辻伸嘉(高知大農)・森岡克司(高知大農,JST-CREST)・足立享介(高知大農)・宮崎泰幸・三浦和希(水大校)・深田陽久(高知大農,JST-CREST)
    • Organizer
      平成25年度日本水産学会秋季大会
    • Place of Presentation
      三重大学
    • Year and Date
      20130919-20130922
  • [Presentation] シンカイヨロイダラI型コラーゲンα1および2サブユニットcDNAの全長配列2013

    • Author(s)
      秋田もなみ・足立亨介(高知大・農)・森田貴巳(水産庁)・三井敏之(青学・理工)・森岡克司(高知大・農)
    • Organizer
      平成25年度日本水産学会秋季大会
    • Place of Presentation
      三重大学
    • Year and Date
      20130919-20130922
  • [Presentation] ズワイガニとベニズワイガニ肝膵臓の持つセルロース分解酵素の特性と圧力の関係2013

    • Author(s)
      谷村 健斗・畦倉環・足立亨介・池島耕(高知大・農)・養松郁子(水研セ日水研)・森岡克司(高知大・農)
    • Organizer
      平成25年度日本水産学会秋季大会
    • Place of Presentation
      三重大学
    • Year and Date
      20130919-20130922

URL: 

Published: 2015-05-28   Modified: 2015-11-18  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi