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2014 Fiscal Year Research-status Report

遺伝資源多様性維持の価値評価と保全メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 24580311
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

齋藤 陽子  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任講師 (30520796)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords遺伝資源 / 小麦 / ジーンバンク / データリッチネス / 変動係数 / 生産関数 / 遺伝資源導入
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、小麦を対象に、遺伝資源の多様性が育種成果に与える影響を分析した。ジーンバンクデータと育種成果のデータを接続し、育種成果を生産関数の被説明変数、ジーンバンクの多様性指標などを育種成果の投入要素であるから、説明変数として作成した。まず、ジーンバンクデータから登録品種数の推移のほか、収量性や稈長、登熟期間などの特性について累積データによる変動係数を算出、育種成果の生産関数に説明変数として導入した。生産関数には、これらのほか、データリッチネスとして、一品種におけるデータの充実度を計算し、説明変数とした。データリッチネスは、6~10で推移していたが、1990年代後半から継続的に上昇し、2000年に18に達した。同期間、遺伝資源の導入数も継続して上昇していたことから、品種の分析をより詳細に進めた結果であることが分かる。その理由として、遺伝資源の導入環境悪化による既存品種の活用推進、高品質化や高付加価値化など、新たな育種目標の設定による既存品種の分析・評価開始、といった点が考えられる。生産関数については、被説明変数である育種成果について、農林登録品種の収量性と稈長とした。収量性の生産関数は、稈長と登熟期間の変動係数が正で有意となり、遺伝資源の多様性が育種成果につながっているといえる。稈長についても、遺伝資源の多様性が有意に貢献していた。また、各品種のデータ充実度、データリッチネスについては、稈長に対して負で有意となった。

これらの分析から、
(1)ジーンバンクの保存数を充実させること、多様な遺伝資源を維持すること、といったジーンバンクの充実が重要である。
(2)また、データリッチネスについては、各品種の特性を分析・評価していく過程であり、研究員など、ジーンバンクにおける人的資源の充実も、間接的に育種成果の向上に貢献することが分かる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ジーンバンクデータと育種データの接続に時間を要した。利用可能な育種データの各品種について、交配年の指標を利用したため、確認を要したこと、また、カバーする年代が重複しないなど、データ数にも限りがあったため、追加データの取得なども必要となった。

また、生産関数の計測結果についても、改善の余地があり、引き続き分析を進める。

Strategy for Future Research Activity

今後の推進方策に変更はないが、データの充実をはかり、引き続き分析を進め、遺伝資源の多様性に関する経済学的な意義を導いていきたい。

Causes of Carryover

昨年度、分析用データの構築に時間を要したため、分析の精度を向上させる時間が十分のとれなかった。研究成果の投稿・開示も含め、次年度使用とする。

Expenditure Plan for Carryover Budget

追加のデータ収集が必要となった場合、収集のための旅費、論文投稿料として使用する計画である。また、データ分析の必要に応じて、統計ソフトを購入する場合がある。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Effectiveness and Contribution of the Gene Recharge in Japanese Wheat2015

    • Author(s)
      SAITO Yoko
    • Organizer
      59th Annual Conference of the Australian Agricultural and Resource Economics Society
    • Place of Presentation
      Rotorua, NZ
    • Year and Date
      2015-02-10 – 2015-02-13

URL: 

Published: 2016-05-27  

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