2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24580317
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Research Institution | 公益財団法人国際東アジア研究センター |
Principal Investigator |
小松 正之 公益財団法人アジア成長研究所, その他部局等, その他 (70537133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細江 宣裕 政策研究大学院大学, その他の研究科, 准教授 (60313483)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 漁業権 / 特定区画漁業権 / 水産業特区 / 個別漁獲割当制度(IQ) / 個別譲渡性漁獲割当制度(ITQ) / 漁業協同組合 / 新潟県 / 宮城県 |
Outline of Annual Research Achievements |
「東日本大震災と漁業権再編問題」 2013年10月に水産業復興特区に認定された宮城県では、漁業合同会社等への漁業権の直接付与が可能となった。本研究では、漁業権の特性とその変更が養殖業に与えた影響、特区の改善点について分析した。26年度は、漁業者から特定区画漁業権の行使料や手数料を得ている漁協の漁業権の合同会社へ直接付与への反対意見が再度顕在化した。また、2018年度の漁業権更新については、法的かつ経営的分析を行い、事業の継続性と通常の意思決定の確保のため、漁業合同会社の株式会社化とする再編が必要との考えに至った。 「総供給とIQ漁業と他漁業との価格分析」 IQ制度導入・実施しモニターした。ホッコクアカエビ(南蛮エビ)のIQ資源管理が始まった新潟県佐渡市赤泊地区において、主に次の調査を行った。①赤泊地区南蛮エビ資源の管理と回復状況のシミュレーション(※平成26年度新潟県新資源制度総合評価委員会)。②南蛮エビの市場需要と推計,IQ制度導入に伴う漁獲量の変化が市場価格に与える影響についての考察。大銘柄(大型)のみ漁獲量増加に伴い価格が若干下落するが,価格が下落しても需要はあまり減少せず、IQ制度導入に伴う大銘柄比率が増加で,漁業者収入は増加することが示唆された.一方で,大銘柄の漁獲増が価格に与える影響は僅かであった。さらに,赤泊地区エビかごとIQ制非導入の沖底との比較では,両漁業者の同時出漁による大南蛮エビ市価の下落、水揚げする月や曜日による価格のばらつきも確認され、両漁業者の操業をずらす工夫と,水揚げ時期の考慮の必要性が示唆されている(※同報告書)。③経営調査と経営改善策の提案として、IQ制が漁業経営体の財務諸表に与える影響を分析・研究した。減価償却費増と収入増、燃油費の削減という結果が得られた。④また、ニュージーランド水産政策、米沿岸漁業のITQ制度調査と養殖業の分析も行った。
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