2014 Fiscal Year Research-status Report
中国農村の組織デザインへの比較制度分析-高齢化する農村社会にむけて-
Project/Area Number |
24580319
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅見 淳之 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60184157)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 農民専業合作社 / 単純傾斜分析 / 共分散構造分析 / 確認的因子分析 / 中国湖南省 / 関係特殊性 / 人間関係 / 有能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当初予定していた現地調査は行わず、過去に中国農村にて収集した農家経済情報、農民専業合作社情報の整理を行い、理論を構築し、その実証を行った。すなわち、面接調査によって得られた項目、尺度を用いて、その回答から、作成した尺度の妥当性と信頼性、そして構成概念の妥当性を確認的因子分析をもとに検討した。さらに確認された独立変数と従属変数をもとに、重回帰分析、単純傾斜分析、共分散構造分析を用いて、(1)合作社と農民の人間関係が特殊的であっても、参加程度には関わり合いがない、(2)合作社が有能であると、より参加程度を強める。(3)人間関係が強いほど、参加程度が高まる、(4)合作社の有能性を求めて参加するためには、人間関係に支えられる必要がある、という参加要因に関する仮説の検証を行った。この成果は、「中国・農民専業合作社への参加要因の実証の試み-中国的特徴の視点から-」『京都大学生物資源経済研究』No.19、1-14頁、2015年、として発表した。 そして、関係研究者に配布し、コメントをいただき、この理論の精緻化に役立てるために、この結果を含めたこれまでの成果を統合して書籍として刊行した(『農村の新制度経済学-アジアと日本-』日本評論社、1-344頁、2015)。さらに、このコメントを参照に調査項目の改善をはかり、中国農村での組織化を対象として書籍で提示した理論に基づいた臨地調査を行い、その実証を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、本年度中に中国湖南省で合作社社員に対する面接調査を行う予定であった。しかし8月の調査の計画中に、主たる調査協力者の大幅な異動があり、本年度中には調査を実施することが困難であることが判明した。ただし、研究体制の見直しをはかり、次年度以降は別の担当者との研究協力において現地調査を行えるようになった。したがって本年度は、現地調査よりもむしろこれまで収集したデータに基づく分析、理論の構築に主眼をおき、その成果を書籍や論文として刊行した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に発表した論文、書籍の配布によりコメントを受けており、調査項目の大幅な改善が期待できる。調査協力者との関係を密にして、来年度は8月、9月に綿密な現地調査を行う。さらにそこで得られた成果をもとに翌年3月に補足調査を行うとともに、中国の関係機関でその成果を中国語と英語で発表し、中国農村の発展戦略に資することを予定している。
|
Causes of Carryover |
計画では、本年度中に中国湖南省で合作社社員に対する面接調査を行う予定であった。しかし8月の調査の計画中に、主たる調査協力者の大幅な異動があり、本年度中には調査を実施することが困難であることが判明した。ただし、研究体制の見直しをはかり、次年度以降は別の担当者との研究協力において現地調査を行えるようになった。したがって、次年度に予算を持越し、次年度に調査をするために、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査項目の大幅な改善したのち、来年度は8月、9月に綿密な現地調査を行う。さらにそこで得られた成果をもとに翌年3月に補足調査を行うとともに、中国の関係機関でその成果を中国語と英語で発表し、中国農村の発展戦略に資することを予定している。
|