2012 Fiscal Year Research-status Report
ミニプラント型酪農経営の成立条件と消費者交流の効果
Project/Area Number |
24580326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
鵜川 洋樹 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (70355345)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミニプラント型酪農 / 信州市田酪農 / 牛乳消費者調査 |
Research Abstract |
ミニプラントを整備するなどして牛乳を製造・販売し、消費者との交流を進めている先進的酪農経営事例を調査し、自給飼料基盤や飼料構造などの酪農生産方式および牛乳の製造方式や販路、消費者との交流などの流通実態を明らかにするために、長野県高森町の農事組合法人信州市田酪農を調査対象とした。信州市田酪農は、1995年に44戸の小規模酪農家が出資して設立した牛乳・乳製品工場であり、自分たちの生産した生乳を自ら製造・販売して、安全安心な牛乳・乳製品を消費者に届けるとともに、酪農経営の安定化を図ることを目的としている。こうした取り組みは近年振興されている6次産業化の先駆的な事例でもある。 信州市田酪農は役員7名(すべて非常勤)と職員10名、パート1名で運営され、牛乳とヨーグルトを製造・販売している。製造のための原料乳は、2010年まではすべて町内で生産された生乳を使用していたが、町内の酪農家数は4戸に減少し、2011年からは町外で生産された生乳も使用している。2011年に使用した原料乳は480tであった。販路は宅配や学校給食、地元の小売店・直売所、生協、量販店、通信販売等と多様である。なかでも宅配は設立当初に酪農家が自ら戸別訪問して開拓した販路であり、最大時の顧客数は800戸に達し、当時の町内世帯数の1/3を占めていた。2012年の宅配戸数は600戸で、うち80%が町内である。 ミニプラントなどで製造された牛乳を購買し、酪農経営との交流を進めている消費者を調査し、酪農支援や農業への財政支出に関する意向を明らかにするために、農事組合法人信州市田酪農が製造・販売している牛乳・乳製品の宅配顧客を調査対象とした。調査は宅配時に調査票を配布し、郵送で回収する方法で、2013年2月に実施した。調査票の配布数は600で、回収数は339、回収率は57%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
牛乳の消費者調査の実施時期を信州市田酪農の繁忙期である年末年始を避けて設定したことから、2月の実施となり、調査結果の入力が年度内に終了することができず、その分析も翌年度に繰り越してしまった。このことから、研究の進捗状況としてはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究の進捗に遅れが出ないよう、早めに調査が実施できるように計画する。また、調査対象については、牛乳の製造・販売が酪農経営の振興に結びついている事例を抽出し、分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ミニプラント型酪農経営の現地調査のための旅費、レンタカー費用、酪農家調査謝金として使用する。また、ミニプラント牛乳の消費者調査(郵送調査)のための費用として謝金と通信費、ならびに、資料収集および学会での情報収集のための旅費、消耗品費(文房具)として使用する。
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