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2014 Fiscal Year Research-status Report

東北水田地帯における田畑輪換作の現局面と農法変革に向けた条件に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24580327
Research InstitutionAkita Prefectural University

Principal Investigator

中村 勝則  秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (80315605)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 角田 毅  山形大学, 農学部, 准教授 (60355261)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords田畑輪換 / プラウ耕 / 水田作経営
Outline of Annual Research Achievements

戦後、わが国水田農業の生産力は大きく向上してきたが、ロータリーを用いた攪拌耕+化学肥料表層施用の「浅耕多肥農業」のままであり農法の革新はなかった。しかし近年、水田農業における内外の諸条件が大きく変貌する中で、プラウによる深耕を組み入れた田畑輪換作など、農法変革の可能性を持つ取り組みも散見されるようになっている。だがその実態は明らかではない。本研究は、東北水田地帯を対象として、こうした田畑輪換作の新たな局面を実態調査により把握するとともに、その導入経営を対象として農法構成要素の到達点を多角的に測定・評価することによって農法転換に向けた条件を明らかにする。
平成26年度は、第1に、プラウを製造・販売している農機具メーカーへのヒアリングから、大規模水田作経営によるネットワーク組織が形成されており、その中で規模拡大に伴う経営課題として、人的資源マネジメントの他に、規模と生産力を両立しうる農法への転換が浮上してきていることが明らかとなった。
第2に、秋田県および山形県の平坦水田地帯における大規模農業法人へのヒアリングを継続実施したが、事例の限りでは、政策的な誘導も手伝って飼料用米など非主食用米による転作が進展したことにより、田畑輪換作はむしろ縮小傾向にあることが示唆された。これに加えて平成26年産の主食用米価格が大幅に下落したことにより、ますますその傾向が強くなることが予想された。そのため、こうした主食用米の価格下落および複数米価混在状況の中で、田畑輪換作はどのようなインパクトを受けるのか検証する必要があると考えられた。そのため、研究期間を1年延長することとした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

概ね順調に進展していると評価したのは、以下の理由による。
第1に、田畑輪換実施状況の量的把握は対象経営数が限られることから、ヒアリング調査を先行して実施してきているが、データの積み上げは進捗しているため。
ただし第2に、平成26年産米の価格急落は水田作経営の土地利用に大きなインパクトを与えると考えられた。そのため、研究期間を1年間延長して実施することにしたから。
しかしならが第3に、農業機械メーカーへのヒアリングによって、大規模水田作経営が経営問題解決のためにネットワーク組織を形成していること及び農法転換がそれら経営の共通経営問題となっていることが示唆されたことにより、積み残されていた田畑輪換実施状況の量的把握のためのアンケートを当該組織を対象として実施する可能性が拓けたこと。

Strategy for Future Research Activity

今年度の研究の推進方策は以下のとおりである。
第1に、田畑輪換の実態を把握するため、引き続き秋田県および山形県における大規模水田作経営を中心に新規および補足ヒアリング調査を行い、データを積み上げる。場合によっては、東北地域以外にも視野を広げて調査を行う。
第2に、田畑輪換作の定量評価に関しては、上記ヒアリング結果をもとにアンケートの調査項目を精査、設計を行うとともに、大規模水田作経営が加入するネットワーク組織と連携した形で実施できないか、当該組織事務局と検討を行う。
第3に、年度後半において、全体総括を行う。

Causes of Carryover

平成26年度はこれまでに調査してきた水田作経営事例に対し補足調査を行い、総括する段階にあった。しかしながらこの間、米価の大幅下落や大豆価格の高騰、経営所得安定対策の見直しなど、東北の水田作経営に大きな影響を与える与件変動がいくつか発生した。そのため、もう1年間研究期間を延長し、与件変動への経営対応も含めて補足調査を行い、総括すべきと判断したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

大規模水田作経営について補足・新規ヒアリング調査を行うための旅費及び謝金、調査データ整理のための人件費、報告書の印刷費およびコピー代に使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 東北における集落営農の現段階と地域農業ー秋田県平坦水田地帯の動向からー2014

    • Author(s)
      中村勝則
    • Journal Title

      農業問題研究

      Volume: 45-2 Pages: 23-31

  • [Journal Article] 集落営農組織における水田輪作の取り組みと課題―山形県村山地域A営農組合における畑作物”2年3作水田輪作”を事例として―2014

    • Author(s)
      鈴木洋・角田毅
    • Journal Title

      農村経済研究

      Volume: 32-2 Pages: 1-5

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 集落営農法人における担い手人材の育成過程2015

    • Author(s)
      鈴木洋・角田毅
    • Organizer
      日本農業経済学会
    • Place of Presentation
      東京農工大学農学部
    • Year and Date
      2015-03-29
  • [Presentation] 米産地-米小売業者における関係性マーケティングの意義と特質-秋田県J米生産部会と首都圏S小売との取り組みから-2014

    • Author(s)
      五十嵐果林・中村勝則・渡部岳陽 ・佐藤了
    • Organizer
      東北農業経済学会
    • Place of Presentation
      岩手大学
    • Year and Date
      2014-08-23

URL: 

Published: 2016-05-27  

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