2014 Fiscal Year Annual Research Report
トウモロコシ蒸留粕(DDGS)飼料化のための流通システム
Project/Area Number |
24580329
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
早川 治 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00096885)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DDGS / 飼料 / 流通 / 品質 / 価格 / 保管 |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオエタノールを生産する際に副産物として発生する蒸留粕(Distiller's Dried Grains with Solubles = DDGS)が、飼料の副原料として利用されているが、品質の流通規格化や品質安定化のための制度化は未整備である。新しい飼料資源として利用が拡大していることから、流通に適した形状、現地での集荷および国内での流通体制等の実態分析など、流通上のシステム改善策を検討することが急務となっている。 本研究は、第一にDDGSの品質管理状況の把握、第二に品質規格化の可能性、第三に米国から輸入する際の流通経路の整備と実態把握、第四には国内流通制度と流通実態の解明を主目的とし、DDGSの流通制度の確立のために資する基礎的なデータの収集を目的としたものである。 DDGSの品質は生産企業自社基準に基づいて安定しているとはいえ、独自の基準が数多く存在する。アメリカ政府による規格基準が未制定の現状では、実需者にとって品質安定のリスクを伴う。DDGSは油性の酸化、固結化などの経時劣化が進む。その変質防御のための保管施設と輸送方法など流通インフラの整備は未熟である。現状のコンテナ輸送は最終ユーザーの庭先まで配送が可能ではあるが、実需者現場では製品変質を防ぐ保管技術が未整備である。また、バラ輸送では積み下ろし場では平置きが一般的で品質維持が難しい。専用の保管庫もしくは保管場の設置が急務である。 DDGSの価格は、先物価格によって相場の安定と平準化が図られているが、先物市場の運用実態はない。そのため、とうもろこしや大豆かすの値動きに大きく左右される。価格安定化を実現するシステム作りも待たれる。 DDGSの単位重量は、とうもろこしの3倍に濃縮されることから、カビ毒も3倍に濃縮残留する。この防除のためには、原料とうもろこしへの強固な検査体制が必須の条件となる。
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