2014 Fiscal Year Annual Research Report
土壌の物理性をもとにしたリンゴの開花日予測モデルの構築
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24580344
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
加藤 幸 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (40302020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 勝 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00181917)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リンゴ園 / 地温 / 開花 / 降積雪 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンゴ園地の地温と開花時期の関連性について継続調査を進めると同時に,積雪期および初雪・根雪時期の気象・土壌環境が地温形成に及ぼす影響について検討した。 (1)降積雪と地温形成: 弘前周辺では例年11月中旬に初雪, 12月中旬に根雪となる。地温は冷たい外気と融雪水の浸透の影響を受けながら徐々に低下し,根雪後は積雪の保温効果を受ける。2014-2015の冬期は例年と異なり,12/1まで温暖な天候が続いた後,12/2の初雪がそのまま根雪となった。加えて,記録的ペースで積雪が増加し,2/16にこの冬のピークの140cmとなった。その結果,土壌が比較的温暖な状態のまま保温され,例年と異なる地温分布形成をした。特に,地表から8,16cm深では,例ねに比べ最大で1.3℃高くなり,この傾向は融雪時まで維持された。結果,3/20時点で54cmあった積雪が10日後の3/30には完全になくなった。 (2)地温とリンゴの開花: 「リンゴの木の根元で地表から64cm深の地温が概ね10℃になった時点で開花する」とする開花予測モデルについて継続して検証した。2014年は5/11に9.9℃の時点で開花し,予備調査期間を含めた過去5年間で,開花日の地温が10℃±0.5℃の範囲あるという結果が得られた。さらに,2014-2015の冬期は(1)のように地温が高く維持されたことから,発芽日が例年より10日,展葉日が8日早まった。4/20時点で調査園地の64cm地温は例年と比較して1.4~2.0℃高めになっており,開花日が5月初旬に大幅に早まることが予想される。 (3)まとめ: 融雪期から開花期の深部地温を簡易な計測により測定し,開花日を予測するモデルが,生産現場のニーズにかない実用的なレベルにあることを確認できた。今後も継続してデータを取り統計的信頼性を高めるほか,降積雪と地温・開花の関係について検討する予定である。
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Research Products
(5 results)