2013 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク形成が粘土フロック懸濁液の界面沈降に及ぼす効果
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24580348
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| Research Institution | Ibaraki University |
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Principal Investigator |
中石 克也 茨城大学, 農学部, 教授 (40180236)
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| Keywords | 撹拌沈降 / 静置沈降速度 / 相転移現象 / ネットワーク相 / 撹拌強度 |
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| Research Abstract |
[はじめに] 平成25年度については、沈降過程における粘土フロック懸濁液の相転移とネットワーク形成の関係を定量的に評価した。最初に撹拌中における沈降の実態を示し、ついで、撹拌中にすでに生じている相転移の実態を明らかにし、相転移の存在する場合の界面沈降について解析を行った。具体的には、規格化された高さと時間の関係にネットワーク相を含ませた沈降速度曲線法を提示した。
[実験] 粒径を3μm以下に調整したNaカオリナイト懸濁液をpH5、NaCl濃度0.03mol/L;体積濃度を0.4～0.7％に調製し、初高を12、15、20、25cmに変化させ、沈降高さの時間的変化を1/100mm精度で読み取った。また、撹拌中におけるネットワーク形成の程度をコントロールするため、振とう機で撹拌振動数を70～220rpmに変えて、20分間同じ振動数で撹拌を行った。
[結果]① 撹拌中の沈降は、撹拌振動数92rpm以上では決して起きなかった。撹拌沈降の生じない時、静置沈降速度は撹拌強度に関係なく一定となり、固体濃度のみに依存し、さらに従来から行われている転倒による撹拌法の結果とも一致した。② 沈降速度式から求めた膨潤比αの値は、固体濃度の薄い領域と濃い領域で大きく異なった。この結果は、沈降体積から求めたα値と類似していることから、撹拌中に相転移現象が起こっているものと考えられる。③ 撹拌中に沈降が生じる振動数70～90rpmの領域において、静置沈降速度と撹拌強度の関係をみると、固体濃度ごとに4つの領域に分けられることがわかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度での研究成果を踏まえ、平成25年度の研究目標はネットワーク相の形成の有無が懸濁液の沈降にどのように依存するかを実験的、理論的に解明することである。具体的には、撹拌強度によってネットワークが形成される領域とされない領域の存在を明らかにするとともに、振とう機による撹拌後、そのまま界面沈降を計測する測定法を用いることによって、従来行われてきた転倒撹拌との関連性を明確にすることができた。これらの成果は、ネットワーク形成が凝集懸濁液の沈降特性を規定する重要な要因であることを示しており、交付申請に記載した「研究目的」の骨格部分をになうものである。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、撹拌強度の違いによってネットワーク相の形成をコントロールできることを見出し、ネットワーク相の存在と界面沈降現象の関連性を実験的に明らかにした。
平成26年度は研究の取りまとめの年であることを踏まえ、以下のように研究を進める。平成25年度の研究成果に基づくと、撹拌の強さは振とう機の振動数だけでなく、懸濁液の初期沈降高さと沈降管の高さとの関係にも依存すると考えられることから、できるだけ同じ撹拌強度になるように沈降管の高さを3段階に変えて懸濁液の初期沈降高さを沈降管の高さの1/2にして静置沈降速度の初高依存性を調べる。撹拌強度の精度を上げたこの一連の実験結果に基づいて静置沈降速度と固体濃度の関係を詳細に解析することで、ネットワークの形成が凝集懸濁液の沈降現象に及ぼす効果とメカニズムを明らかにすることができ、3年間の研究成果の取りまとめを行う。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に投稿した学術論文が今現在印刷中となっており、カラー写真印刷、超過ページ印刷及び別刷代金の合計約100,000円ほどの支払いを繰り越す必要があるため、平成26年度使用額が生じた。
繰り越された金額は、論文掲載に向けての印刷、別刷代に使用する。本年度の配分額は、謝金777,600円、純水製造装置の維持費120,000円、旅費60,000円、消耗品（沈降管などのガラス器具等）42,400円を当初予算額に充てている。
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Research Products
(2 results)
