2012 Fiscal Year Research-status Report
泥炭土壌の好気的分解速度の水分量・O2濃度依存性評価
Project/Area Number |
24580350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
飯山 一平 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (50450276)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 泥炭湿地 |
Research Abstract |
泥炭土壌の好気的分解速度の水分量・O2濃度依存性に接近する上で、実際の泥炭湿地において顕れうる土壌水分条件、および土壌水分収支に関する実測知見収集の必要を考え、これに係る計測系の設置を想定した。野外で実際に遭遇しうる土壌水分収支において、地上植生による吸水の影響が強いと予想されたことから、植物体内水分流量計測系を思案した。 現場土層内および室内土層カラム内の水分条件探査のためにポーラスカップ~マノメータ系を設計、製作した。 泥炭土壌の水分条件の予測に資する土壌物理性要因として、不攪乱泥炭土壌の水分特性曲線および不飽和透水係数を実測した。 泥炭土層が好気的条件に置かれる環境条件として湿原地下水位の低下が想定できることから、泥炭土層内の水分分布の地下水位依存性モデルの原型を土壌物理学的理論を基に用意し、実測の不飽和透水係数および水分特性曲線の適用による当面の出力を得た。但し、地上植生による吸水の影響のモデルへの組み込みには至っていない。 土壌中におけるO2欠乏指標としてCO2濃度計測の併行が有効であることから、既存の簡易赤外線CO2濃度計の援用により、土壌ガス中CO2濃度分析系のひな型を設計、試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
必要計測系・観測系に関し、設計・試作は叶った一方、実践着手に至らなかったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
不攪乱・攪乱での泥炭土壌試料の追加採取を予定する。泥炭土壌の分解度が泥炭土壌からのCO2放出速度へ与える影響を反映するために、採土地点として湿原植生種類、乾燥度合において複数候補を予定する。 泥炭土壌試料の培養試験実施に向け、クローズドチャンバー法の援用によるCO2放出量の経時計測、土壌試料底部からの毛管水供給による水分量制御、および培養器内O2濃度調節、を実践可能な実験系の構築に向かう。 培養は、50cm3程度を一供試体として恒温恒湿容器内で行い、泥炭土壌からのCO2放出挙動の、土壌水分量依存性およびO2濃度依存性を定量する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
各費目について、下記の事項(金額,単位千円)を予定する。 ・消耗品費として、泥炭土壌培養用アクリル容器材料(500)、各種標準ガス(100) ・国内旅費として、研究打ち合わせおよび土壌試料採取(50)、成果発表(50) ・人件費・謝金として、土壌試料採取補助(2名分70) ・その他として、論文投稿料(30)
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