2013 Fiscal Year Research-status Report
農業用パイプラインの非破壊診断に基づく災害リスク評価法の開発
Project/Area Number |
24580353
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 哲也 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30434103)
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Keywords | 農業用パイプライン / 非破壊検査 / 土地改良施設 / AE法 / リスク評価 / 水理・水利用性能 / 構造性能 |
Research Abstract |
農業用パイプラインに代表される大規模配管施設では,地震災害や経年劣化に伴い漏水事故が頻発し,農村地域の生活・生産活動に多大な影響を及ぼす。しかし,既存施設に適用できる非破壊検査法やそれに基づく災害リスク評価法は,いまだ十分に開発されていない。本研究では,農業用パイプラインに適応した非破壊検査法の開発に基づく地震災害を考慮したリスク評価法を構築することを目的としている。研究対象は農業用パイプラインであり,既に申請者により研究蓄積のある弾性波法と電磁波法を用いた非破壊検査法を研究期間である平成24年度から26年度の3カ年間に構築し,それらの結果を踏まえた災害リスクに関する評価方法を提案する。 平成25年度は,昨年度開発したパイプラインの非定常流況現象である水撃圧を対象にした非破壊・非接触検出法を数値解析の観点から検討し,実測値を十分な精度で評価可能であることが明らかにした。それらの結果を踏まえて,本研究により開発する農業用パイプラインを対象とした災害リスク評価法へ本検討結果を反映させるべく,解析的な取り組みを現在,高度化している。実験的検討は,これらに加えて配管材の非破壊損傷同定法の開発を実構造物(岐阜県大垣市)において試み,AE(Acoustic Emission)計測に基づく提案手法の有効性を確認している。 平成25年度の研究成果は,閲読あり研究論文15報,研究報文16報,口頭発表60報および国際会議10報と非常に多くの成果を世に問うことに成功した。平成26年度は,これらの成果を踏まえて,最終目標である地震災害地域での非破壊計測およびリスク評価法を提案するため,積極的な実験・解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究進捗は,災害リスク評価に必要な個別技術の開発を完了した。現在は,数値解析を含めたより詳細な検討を進めており,平成25年度末で目標の約80%は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究展開は,研究期間の最終年であることから3ヵ年間に検討した弾性波計測に基づくパイプラインの災害リスク評価法の構築を試みる。その際,非破壊・非接触技術の開発を含めて,今後の技術展開の基礎的検討を同時に行い,次年度以降の研究速度を大幅に上げるための準備を開始する。今後は、本研究の目標である災害リスク評価法の精緻な構築と開発手法の現地適用を積極的に実施する予定である。
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Research Products
(30 results)