2014 Fiscal Year Research-status Report
地域住民の活動意欲に資する農業土木事業の価値形成に関する土木史的研究
Project/Area Number |
24580360
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
工藤 庸介 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (80305656)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ため池 / 維持管理 / 非農家 / 参加意識構造 / 多面的機能認知 / 地域特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに実施したアンケート調査結果の内、共分散構造分析で用いなかったカテゴリーデータについてクロス集計を行い、その回答傾向から調査対象地区を分類した。その際、今後の維持管理活動の担い手として大きな役割を果たすであろう非農家住民に限定して結果分析を行った。分類された各地区について、地区の成立過程などの歴史的経緯には目立った違いが見られなかったため、主に社会構造と営農状況という観点での検討を加えた。 その結果、調査対象地区においては、非農家の参加意欲形成の過程にため池の多面的機能認知が及ぼす影響の構造に違いがあることが明らかになった。 このような参加意識構造の違いはそれぞれの地域特性に起因するものと考え、各協議会の活動地域における土地利用の変遷、人口動態、営農状況という3つの観点から考察したところ、多面的機能の認知の仕方は、宅地化の進展に代表される非農家を取り巻く地域構造に関係していることが示唆された。 これらの結果は、ため池が農業用水利施設として地域内で健全に機能しているか、さらには農地をとりまく地域のコミュニティが健全に機能しているかが非農家の参加意識に影響しているものと解釈された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までの遅れの影響で、調査結果の分析と解釈が本年度にずれ込み、研究成果のとりまとめが年度内に収まらなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
申請当初に想定していた歴史的経緯よりもむしろ、地域が現在抱えている社会構造上の問題が維持管理のあり方に影響しているという結論に至ったが、社会構造の推移という観点で歴史的な考察を付加し、最終的な研究のとりまとめを行いたい。
|
Causes of Carryover |
主として、研究の最終的なとりまとめに関する作業が遅れており、それに伴う経費の執行が遅れている状況である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文作成にかかる消耗品費と英文校閲のための費用、ならびに論文投稿に伴う費用。
|
Research Products
(1 results)