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2012 Fiscal Year Research-status Report

薬用植物の高効率生産のための生育ステージ別環境制御技術の開発

Research Project

Project/Area Number 24580365
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

彦坂 晶子  千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (50345188)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石神 靖弘  千葉大学, 園芸学研究科, 助教 (50361415)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords薬用植物 / 環境制御 / ニホンハッカ / メントール
Research Abstract

「薬用成分を高含有する系統の増殖および増殖に適した環境要因の解明」として、長日植物で葉を利用する一年性草本のニホンハッカ3品種について、研究に適した(生育速度が速く、精油濃度および精油中のメントール濃度が高い)優良品種を選抜し、増殖効率の高い苗の生産方法について検討した。これまでニホンハッカ品種を多数育種してきた北海道農業試験場の報告より、精油およびメントール濃度が高い品種として‘あやなみ’、‘さやかぜ’、‘わせなみ’に着目し、この3品種の生育速度、匍匐性の有無、精油およびメントール濃度の調査を行った。
本研究では、葉を残した組織を無糖の培地に挿木し、光、気温、二酸化炭素を制御した環境で光独立栄養としてクローン増殖した。根がウレタンスポンジに活着し、ウレタンスポンジから4-5 cm程度伸びた苗をコンテナーに移植し、湛液水耕栽培した。光環境や気温などの基本的な栽培環境条件は、本研究グループでのニホンハッカを使用した研究(Hikosaka et al., 2010; Malayeri et al., 2010)を参考とした。
約1ヶ月栽培した結果、‘さやかぜ’では‘わせなみ’や‘あやなみ’よりも全体に対する葉への乾物分配量が多く、主茎長および主茎の平均の節間長が‘さやかぜ’で最も小となり、‘さやかぜ’は他の2品種よりも少ない空間でより多くの葉を生産できると考えられた。メントール濃度は定植後28日間 ‘さやかぜ’が‘あやなみ’よりも大となる傾向がみられ、精油濃度に関しても‘さやかぜ’が‘あやなみ’よりも大となったと考えられた。
以上の結果より、今回用いた3品種の中では‘さやかぜ’が効率生産に最も適していると考えられ、今後‘さやかぜ’を使用して研究を行うこととした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究対象とする品種について、均一な苗の増殖方法が確立し、人工環境下での水耕栽培方法についても基本的な条件を明らかにできた。また、品種の匍匐性や成長速度、薬用成分濃度の分析を行い、単位面積あたりの薬用成分蓄積部位(ニホンハッカの場合は葉)の生産効率の高い品種を決定することができた。
薬用成分濃度の分析のために分析装置を修理する必要があり、今年度の研究費の多くは修理費として使用した。薬用成分濃度の分析方法もほぼ確立できたので、今後も予定通り栽培試験や薬用成分濃度の分析を実施する。

Strategy for Future Research Activity

「薬用植物の目的部位の成長および高濃度化に適した環境要因の解明」として、栽培環境条件による薬用成分の高濃度化を図る。まず地上部の光合成を最大化させ、次に目的部位への分配割合を増加させ、蓄積部位での高発現、高蓄積を誘導する必要がある。
光合成を高めるためには、光合成の利用効率の高い赤色光の割合を増加させることが有効と思われるが、植物種によっては、青色光によって光合成に適した受光体勢に葉や葉柄の形態を変化させるものもあることから、目的とする植物ごとに赤色光と青色光、場合によっては緑色光のバランスについて検討する。これら基礎的な反応を確認するために、初期段階では人工気象室内で期間あたりの成長速度を最大とする光環境と温度環境について検討する。
次に実用的なレベルでの環境制御技術を温室内に導入する。光環境の制御については、LEDや蛍光灯による部分補光や光の透過性を波長選択的に行える資材を温室内に展張する方法などを予定している。
薬用成分の蓄積量は、部位の若い時期~成熟期~老化期で最大となる時期が植物種や目的成分によって異なるため、その発現・蓄積の解析から最適な採取時期を決定する。特に、葉を利用するニホンハッカなどは花芽が生じる(抽台)と葉の生産が停止することから、明期を制御することで薬用成分の蓄積が最大となる時期まで開花を抑制する技術が必要と考えられる。
本研究グループではこれまで機能性野菜について、環境ストレス(刺激)による二次代謝産物の増加の知見があることから、本研究でもUV光の局部照射や短期間の高・低温処理を行い、これらの処理で変動する薬用成分の調査を実施する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究に使用する種苗の到着が予定よりも大幅に遅延したため,材料の育成および分析が開始できなかった.よって,分析試薬や消耗品の購入を一部,次年度に繰り越す必要が生じ,栽培試験および薬用成分濃度の分析に必要な物品や試薬を購入予定。また、多数のサンプルを分析するために、分析補助を依頼する。成果発表のために国内の学会に参加予定である。

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Published: 2014-07-24  

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