2014 Fiscal Year Annual Research Report
植物工場におけるワサビ種子周年生産のための効率的花成誘導法の確立
Project/Area Number |
24580367
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野末 雅之 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (30135165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 浩義 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (60205127)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 植物工場 / ワサビ / 種子 / LED / 花成誘導 / FT / CO |
Outline of Annual Research Achievements |
ワサビ国内生産量は年々減少している。理由の1つに、採種農家の高齢化と温暖化により、良質なワサビ種子の安定確保が困難なことがあげられる。植物工場によるワサビ種子の効率的な周年採種システムが開発できれば、ワサビ生産量の安定確保に画期的な貢献ができる。その開発を目指し、本研究では「人工環境下における効率的な花成誘導法の確立」を目的とし検討を行い、以下の成果を得た。 長野県安曇野市のワサビ田の環境情報をもとに、低温と日長条件のワサビ花成誘導に対する影響を明らかにした。人工環境(RGBを含む白色LED照明)下で花成誘導に必須のFT遺伝子およびFT発現を抑制するFLC遺伝子の発現、目視による花成誘導状況を調べた。また、ワサビ植物体の成育段階と花成誘導能についても調査した。その結果、花成誘導には6ヶ月以上経過したワサビ植物体の1ヶ月間以上低温(4~10℃)と長日処理(14L以上)が必要であった。LED光源を用いて花成誘導に有効な光質を明らかにするために、FTの発現を定量的RT-PCR法で解析した。シロイヌナズナでは光質による顕著な影響がみられたが、ワサビでは花成誘導に光質は全く影響しなかった。また、シロイヌナズナと異なり、ワサビではFT発現の日周性はみられなかった。これらの結果から、LED光源によるワサビ花成誘導では、光質よりも14時間以上の長日条件(約2ヶ月)が重要であることがわかった。 ワサビFT発現に日周性がみられない原因を明らかにするために、FTの発現を制御しているCOの発現について調査した。ワサビCO遺伝子をクローニングし、CO発現の日周性を半定量的RT-PCR法で、COタンパク質の存在量をウェスタンブロット法でそれぞれ解析した。その結果、上記のワサビ栽培条件下ではCOが常に発現しており、FT発現に日周性がみられないのはCOが恒常的に発現しているためと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] A Year-round prodution system for wasabi nursery plants in a plant factory2014
Author(s)
Nozue, H., Okamoto, C., Matsuda, Y., Motoki, M., Kanemitsu, N., Nozue, M.
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Journal Title
Proceedings of the International Conference on Plant Factory 2014
Volume: 1
Pages: 1-6
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