2014 Fiscal Year Annual Research Report
植物由来の香辛エッセンスを利用した人と環境に優しい新線虫防除技術の開発
Project/Area Number |
24580372
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
御手洗 正文 宮崎大学, 農学部, 教授 (60094083)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 線虫防除 / 植物エッセンス / 線虫不動化率 / アセビ / グラヤノトキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
日本のみならず世界の農業において植物寄生性線虫による作物被害が従来から重要課題となっている。現在、D-D等の農薬を用いた化学的防除が主流となっているが、近年、消費者の環境と健康意識の高まりから環境保全型防除法の開発が強く望まれている。本研究の目的は、農薬の代替技術として、植物由来成分を用いた線虫防除技術を確立することである。本年度は、アセビ(学名: Pieris japonica subsp. japonica)エッセンスを5種類の抽出法(煮出し抽出法、含水アルコール抽出法、酢液抽出法、水蒸気蒸留法)によって取り出し、それらの原液濃度と殺線虫効果ならびに作物への影響を調査した。なお、アセビの有毒成分はグラヤノトキシン(旧名アセボトキシン)、アセボプルプリン、アセボイン、ジテルペン、アンドロメドトキシンである。試験結果は次のとおりである。(1)煮出し抽出液、含水アルコール抽出液、酢液抽出液は、濃度20%処理区で高い線虫不動化率を示し、即効性と持続性が見られた。(2)煮出し抽出液は低濃度においても処理後1日目から高い線虫不動化率を示したことから、煮出し抽出法が最もアセビエッセンスの抽出に適した抽出法であることが明らかになった。(3)土壌中の線虫に対して、煮出し抽出液は濃度50%以上で無処理区と有意差のある高い殺線虫効果を示すことが明らかになった。(4)アセビエッセンスの作物の影響(大根の発芽率)については、煮出し抽出液の濃度10%と30%処理区は、無処理区との間に有意差が認められず、無処理区と同程度の発芽率を示すことから、発芽への影響はないと判断された。
|
Research Products
(2 results)