2014 Fiscal Year Annual Research Report
湿原湖沼水環境モニタリングのためのスカウト機能を備えたロボットボートの開発
Project/Area Number |
24580378
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海津 裕 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (70313070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 浩之 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (10374620)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロボットボート / 自律航行 / 水質マッピング / 省力化 / GPS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年までに開発したロボットボートの実証試験を行った。また、さらに小型のボートを開発し、市販の3次元スキャナーによるマッピングシステムの構築を行った。 実証試験は、北海道足寄郡足寄町の阿寒国立公園内のオンネトーにて行った。この湖は、周囲長2.5 km、0.23 km2の酸栄養湖である。魚類は見られないが、外来種のウチダザリガニの増加が問題となっている。火山性の温泉の水が流れ込むことから、酸性を呈しているが、近年徐々に中性化していると言われている。これまで、水深図が作られていないため、ロボットボートによって50 m間隔でソナーによる水深調査を行った。また、表面水の水質を調べるため、水質センサによって、50 m毎に測定を行った。その結果、約6時間で、湖全体の調査をすべて自動航行によって行う事ができた。前年度は全航行時間が2時間だったので、3倍の時間、稼動可能な事が確認できた。全航行距離は10.1 kmで、各水質サンプリングポイントに対する測定位置の誤差は平均で3.4 mであった。GISソフトによって、水深マップ、pHマップ、ECマップ等を作成した。pHマップより、この湖は、全域にわたってpH7以上で、中性化が進んでいることがわかった。 マッピングシステムについては、Microsoft社から販売されているKinect V2というセンサを使って、3次元マップを取得するシステムを開発した。このセンサは、8 m先までの距離を30 Hzで面的に取得することが可能である。晴れた日の屋外において、移動しながら植物や人工物を撮影した結果、距離計測が適切に行われることより、使用に耐えうることが判明した。そこで、これまでのロボットボートにこのセンサを組み込み、連続的に3次元データが保存できるようなシステムを構築した。
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