2013 Fiscal Year Research-status Report
ニンニク茎葉給与ヒツジにおけるタンパク質合成の消化・内分泌機能制御
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24580385
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
佐野 宏明 岩手大学, 農学部, 教授 (20196306)
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Keywords | ヒツジ / ルーメン発酵 / 農産廃棄物の有効利用 / 消化 / 栄養素代謝 / 微生物態タンパク質 / インスリン作用 / 同位元素希釈法 |
Research Abstract |
【目的】ニンニク茎葉を反芻家畜の飼料として利用することを目的とし、ヒツジにニンニク茎葉を給餌して、ルーメン発酵性状、血漿ロイシン代謝、タンパク質合成・分解速度に及ぼす影響を検討した。 【方法】供試動物にはヒツジ6頭を用いた。飼料区として混播乾草を維持エネルギーの120%となるように給与した対照区および給与量の10%をニンニク茎葉で代替した実験区を設定した。飼料は1日2回8:00と20:00に給与し、飲水は自由とした。実験は1期21日間のクロスオーバー法により実施した。窒素出納試験を実施するとともに、尿中プリン代謝物排出量を測定して、下部消化管への微生物態窒素供給量を算出した。20日目に第一胃内容液を採取し、pH、揮発性脂肪酸(VFA)、アンモニア態窒素濃度を測定した。21日目に[1-13C]ロイシンの同位元素希釈法を実施し、血漿ロイシン代謝回転速度とタンパク質合成・分解速度を測定した。 【結果】尿中窒素排泄量、総窒素排泄量は実験区で高く(p<0.05)、窒素保持量は低かった(p<0.05)。第一胃内アンモニア態窒素濃度は採食3時間後に上昇した(p<0.05)が、飼料間に差はなかった。第一胃内pHは飼料間に差がなかった。第一胃内酢酸および総VFA濃度は飼料間に差がなく、プロピオン酸濃度は採食3時間後に低下した(p<0.05)。酪酸濃度は実験区で高く(p<0.05)、採食後に低下した(p<0.05)。下部消化管への微生物態窒素供給量は実験区で高かった(p<0.05)。血漿ロイシン代謝回転速度およびタンパク質合成速度は実験区が高かった(p<0.05)が、タンパク質分解速度に差はなかった。 以上の結果より、ニンニク茎葉は第一胃内発酵性状をほぼ損なわず、血漿ロイシン代謝、タンパク質合成速度を亢進させることから、家畜の飼料として有望であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度実施予定であったヒツジを使用した血漿ロイシン代謝、全身のタンパク質合成・分解速度に関する研究を概ね実施することができ、想定された結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は本研究の最終年となる。当初、主要な測定項目としていたインスリン作用に関する研究をグルコースクランプ法を用いて実施する。
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