2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24580389
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本田 和久 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40335427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 純一 北海道大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30344493)
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Keywords | ブロイラー / 肉 / 亜鉛 |
Research Abstract |
本研究は、ブロイラーにおいて、食欲増進と肉色改善の両効果を期待できる亜鉛に着目し、これらの効果を最も強力に発揮する亜鉛化合物の選定とその最適給与量の決定を行なうと共に、亜鉛化合物によるブロイラーの食欲増進と肉色改善の両分子機構を解明して、ブロイラーの産肉量増加及び肉質向上の両者を同時に達成しようとするものである。 平成25年度は、平成24年度に精製飼料に添加した際に産肉量を増加させ、肉色を有意に改善したペプチド亜鉛を市販飼料に50 ppm添加し、1日齢のブロイラー(チャンキー、雄)に出荷日齢(49日齢)まで給与し、摂食量、体重、種々の臓器・組織(ムネ肉、もも、肝臓、腹腔内脂肪組織)の重量及び肉色に及ぼす影響について調べた。その結果、ペプチド亜鉛の市販飼料への添加は、調べたいずれの項目にも影響を及ぼさなかった。その為、添加量を200 ppmまで段階的に増加させ、3週間給与した際の効果を確認した。その結果、100 ppmのペプチド亜鉛の添加は、肝臓重量および腹腔内脂肪組織重量に影響を及ぼすことなくブロイラーの体重、肝臓、ムネ肉及びももの重量を増加させた。また、ムネ肉の黄色みを上昇させたが、亜鉛プロトポルフィリンIX含量には変化が認められなかった。 これらの結果から、ペプチド亜鉛の添加による摂食量、産肉量及び肉色に及ぼす影響は、飼料組成により大きく影響を受けることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した通り、ペプチド亜鉛による成長促進効果が確認されたが、その食欲および肉色に及ぼす影響は、配合飼料の組成により大きく影響を受けることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、平成25年度に筋肉重量増加効果が確認されたペプチド亜鉛給与条件に基づき出荷日齢まで飼育したブロイラーにおける産肉量の増加及び肉色の改善を確認すると共に、冷蔵保存肉における退色の抑制効果について検証する。更に、骨格筋におけるタンパク質代謝関連因子の遺伝子並びにタンパク質の発現、及び、骨格筋中の亜鉛プロトポルフィリンIX関連物質(亜鉛、亜鉛プロトポルフィリンIX及びプロトポルフィリンIX)の含量について調べることに基づき、ペプチド亜鉛による産肉量増加及び肉質向上の機構を明らかにする。
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